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00 短編
イブの夜 ティエリア X'mas夢
「そんなことより次のミッションに集中しろ」
それが彼にクリスマスを指摘した12月頭に返された台詞だった。

とはいえ、真面目な彼を除いては(いや、皆が不真面目なわけではなく、ただ少し彼が真面目すぎるのだ。まぁそこがよいところといえばそのとおりなのだが)みんなトレミーの中に設置したツリーに飾りを施したり、25日にやるパーティの準備をしたりと結構楽しんでいる。
「あいつはほっとけって」とロックオンは言ってくれたし、「しょうがないよね」とアレルヤも言ってくれた。ハレルヤに至っては「だいたいあいつがそういうの気にすると思うか?」と私を馬鹿にし、刹那は「気にするな」とオーナメントを手渡してくれた。
それでもやっぱり恋人の行事は二人で過ごしたい。
そんな希望は捨てきれずにいた。
24日、夕食を食べ終え、私はそうそうに眠りにつくことにした。
別に、サンタクロースが来るとかいう歳ではないけれど、相手もいないのにイブの夜をいつまでも起きている気にはならなかった。
うつらうつらと眠りに引き込まれているとき、ノックの音で私は現実に呼び戻された。
時計を見るとちょうど日付が変わったところで、少し遅いとは言えど、人の部屋を訪ねるのは許される時間帯だ。
「はーい…」
髪を手櫛で直し、ドアのロックを解除する。
そこには愛する恋人がいた。
「ティ…エ?」
現状に戸惑いつつも、とりあえずティエリアを部屋へと招き入れる。
「渡すものがある」
ベッドに腰掛けたティエリアは今の今まで使っていたことが分かるベッドを一瞥し、右手を出してきた。
「渡すもの…?」
「いいから受け取れ」
「開けてもいいの?」
「ああ」
手のひらに収まる小さな箱を開けると、中からはペンダントが出てきた。
私好みの、シンプルなデザインだ。
意味が分からず、首をかしげていると、ティエリアは小さな声で「クリスマスだろう」と言った。
「だって、どうでもいいようなこと言ってたし…」
「恋人同士のイベントと言ったのは誰だ?」
確かにそんなことも言った。
けれど、彼がプレゼントを用意してくれたのは、まだよくわからない。
「もしかして…みんなと一緒には嫌だった?」
「…当たり前だろう」
そうだ、彼は実は照れ屋なのだ。
そうかそうかなどと納得し、「あ」と声をあげた。
「私、あげられるものないや」
「この時間にきた意味を考えろ」
そう言われ、ティエリアと目を合わすと、口付けが降ってきた。

クリスマスイブの夜にやってきたのは
サンタクロースではなく恋人でした






あとがき
というわけでやたら需要が多いティエリアのクリスマス夢でした!!
このサイトは本当にティエリアの需要ハンパねぇと思う。
続きを書く気はありません
お疲れ様でした!!
081225 13:41




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あきゅろす。
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