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銀色
愛さなければよかった 土方
あなたなんて愛さなければよかった

目を合わさずに言うと、空気が変わったのがわかる。
新調した冷蔵庫には大量のマヨネーズ。
煙草の買い置きは棚に。
そして何よりも目の前、私の作った温かいご飯たち。
…のはずだ。
「どういうことだよ」
「…マヨネーズ」
確かに今までも土方さんがそういう食べ方をするのは知っていたけど、これと毎日向かい合わなければいけないんだった。

「煙草かぁ…」
「んだよ」
さっきのこともあり、やや不機嫌な土方さん。
「いや、構いませんよ、私は」
「じゃあいいだろ」
「ええ、まあ、私は。ただ、もう一人がよくないって」
振り返ったのは眉間に皺を寄せた愛しい人。
今日は籍を入れてきた。
一応新婚初夜ってことだ。
「あのですね、土方さん」
「十四郎だ」
「…十四郎さん、今日私たちは結婚したんですよね」
「そうだな」
「私、昨日病院に行ってきたんですよ」
「!…どこか悪いのか?」
きっと打ち明けられなかったことに寂しくなったのだろう、表情が影を帯びる。
「ええ、まあ。で、ですね…単刀直入に言いますよ」
「お、おう」
深い深呼吸を1回。
「あなたの子どもを産ませてください」
「…は」
土方さん、じゃないや、十四郎さんが咥えていた煙草が重力に従って落ちる。
着流しの裾に着地。
「あっつ!」
慌てて消すこの人を愛しいと想う。
十四郎さんは座りなおして目を逸らしながら口を開いた。
「それは、つまり…ああ…えっと…」
「三ヶ月前ってことはあの夜ですかね、まぁそんな予感はしてましたが。昨日から知ってたんですが、もし断られたらいやですし、籍を入れてからがいいかなぁと思いまして。まあ断られても」
「ちょ、待てよ、俺が断るわけねぇだろ」
「だから万が一の話ですよ」
「まあそれはわかったが…やっぱよ、こういうことはちゃんとしておくべきだと思うんだが」
「…はい?」
今まで逸らされ続けた視線が合う。
この瞳に心を奪われたことを思い出した。
「俺の子どもを産んでくれ」

(何で愛さなきゃよかったなんて言ったんだよ、軽く傷ついたぜ)
(お腹の子に悪影響だなと思って。将来的にも)
(どういうことだよ)
(…パパに似ちゃだめでちゅよー)
(どういう意味だよ!)


あとがき
とりあえずさーせん
どうしても土方さん書きたかったが、書いたら書いたなりに後悔

090411 21:16


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あきゅろす。
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