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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
PageJ
〜管理外世界『クロノス』〜


所変わって、場所は悠達が残っているクロノス。

先程まで続いていた“揺れ”が治まったことでなんとか体勢を立て直したと見える。


なのは「ふわ〜。それにしても、さっきの揺れは凄かったねぇ………」

フェイト「うん。それに、それと一緒に感じられた“気配”って……一体なんだったのかな?」

はやて「あ、フェイトちゃんも感じたんか?」

フェイト「そういうはやても?」

はやて「そりゃあもう、ビンビンに感じ取ってたよ。一体なんの“気配”かは分からへんけど…………まあ、味方っちゅー考えはないやろうしな」

なのは「本当に、なんだったのかなぁ?」


三者三様で首を傾げる。

先程まで続いていた大き過ぎるほどの“揺れ”。

それに伴って感じられた謎の“気配”。

しかも、話を纏めればその“気配”は二つ。


正直、彼女達にとっては解らないことだらけと一緒だ。

そもそも、多重次元世界に関しての知識はあっても“それ以外”の知識は無きに等しい。

それが“魔術”であったり“吸血種”の存在でもあった。


正直、彼らの住む世界には不可解且つ不鮮明な事柄が大過ぎるのだ。

だから知らないことだらけであり、知っていることのほうがどうかしているとも言えるのだが。



サクヤ「それにしても、あの禍々しいまでの“霊圧”は一体……………」

香恋「尋常じゃない感じよね、さっきのアレは」

諒「感覚的には、魔物……というよりは虚に近かった気もするけどね」

香恋「………………虚、か」


諒から発せられた一言。

それを聞いて香恋の表情は暗くなる。


一度だけだが、彼女も刹那達が使う“虚化”を間近で見ている者の一人だ。

それに、それに関する危険性も含めて説明などもされているだけに、不安は募るばかり。


創「そんなに考えたって、どうしようもねえよ。それに、さっきの霊圧は刹那のじゃない。あんなバカでかい霊圧は、凍夜以外に当て嵌まらねえ」

士郎「だけど、確か霊圧って霊力のない奴にはあんまり影響ないはずじゃなかったのか?霊力が貧しい俺でもどれだけすごいのか判るぞ?」

悠「それは、凍夜が“完全な虚化”を行ったからだよ」

稟「“完全な虚化”?なんだよそれ」

悠「言葉の通りの意味さ。死神の虚化は、単に仮面を取り出しその力を使役することだけじゃない。虚に近づいてその力の全てを手中に収めることが最終目標………になるのかな。少なくとも、これを可能としてるのは今のところ凍夜だけなんだけどね」


苦笑気味に説明を入れていく悠。

その言葉の中には、凍夜に対する同情のようなものが混じっているような気がした。


なのは「だけど、完全に虚になっちゃうと自我を失っちゃうんじゃないの?この間の刹那くんみたいに」

悠「その心配はないよ。アレは単に虚の力が暴走したから起こった出来事であって、凍夜の場合は完全に支配下に置いてるから、凍夜が死に掛けない限り暴走は絶対に有り得ない」

はやて「ほっ。それならええんやけどな」

フェイト「だけど、なんで“完全な虚化”を行うと霊力が低い私たちでもその強さを感じ取れるの?」

悠「それは霊圧の質が“異質”だからだよ。あれは“霊圧であって霊圧”じゃない。つまり、この世に対する覇気という『圧』として感じ取れることが出来るほど、高密度に高められているモノなんだよ。だから、霊力がないみんなでも簡単に感じ取れるし、逆にその霊圧に潰される可能性も出てくる。だから、くれぐれも注意してねぇ♪」


悠の最後の言葉に、その場にいた者全員が息を呑んだ。

つまり、彼が言いたいことはこうだ。

高密度まで高められた霊圧は一種の覇気として人々にも影響を及ぼす危険性を孕んでいる。

だから、くれぐれも気を抜かずに堪え抜け―――と。


香恋「だったら、近くに居るメリアが危ないんじゃ…………!?」

サクヤ「あ、香恋様!?一体どちらへっ!」

香恋「私、メリアを迎えに行ってくるっ!」

サクヤ「香恋様っ!!」


サクヤの制止も聞かずに走り去ってしまう香恋。

その場に残されたのは、凍夜の霊圧に対する恐怖を植え付けられた者のと、その反応を見て楽しんでいるサディストだけだった。

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あきゅろす。
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