[携帯モード] [URL送信]

D.C.S.B.〜永劫の絆〜
PageS
―side to 羅刹―


羅刹「くっ…………」


正直、今猛烈に不幸な目に遭っていると思う。

なんで……………、


羅刹「なんでこんなに魔物がいるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!???」

玲奈「ちょっとっ!?叫んでないでこいつらを蹴散らしなさいよっ!!」

羅刹「わかっとるわっ!!」


チクショーっ!?一体俺達がなにをしたって言うんだぁぁぁっ!!?


玲奈「なにをしたかって、そんなもの相手に聞いてよ!それに、私たちに敵が多いってことは、あんたが一番理解してるんじゃないのっ!?」


ああ、そういえばそうだったなぁ。何故か俺達には敵が多かったな。

その理由は定かではないが、確かに俺達には敵が多い。


まず、妻の玲奈は“管理局”とやらに在籍していたとき、あのくそボケの奥さんである“鬼藤”さんと鬼畜野郎の奥さんである“藤村”さんの三人で、かなり有名な“魔導師”だったらしいから、犯罪者などには敵は多いとかなんとか。

そして俺は、“尸魂界”にいた頃、護廷十三隊という組織で数年ほどだが五番隊隊長なんてやっており、別の意味で敵は多かった。

その他にも、俺にとっては腐れ縁である“あいつら”も、同じく一時期隊長の座にいただけに、そちらも含めて敵を多く作った気がする。


うん。我ながら、なんて血生臭い日々だったのだろうかと、今なら涙なしでは語り尽くせない内容ばかりだ。


玲奈「ちょっと!?さっきからなにボーっと突っ立ってんのよっ!ただそこにいるだけなら木でもできるんだけどっ!あんた人間でしょっ!?だったら動いて動いて戦いなさいっ!!」


いえ、美しき我が妻よ。私は別に人間ではありません。死神です。

それに、そんな顔してるとかえって折角の美貌が台無しになるというかなんと言うか………


玲奈「い・い・か・ら!!あんたは黙って私の詠唱が完了するまでこいつらを蹴散らしなさいっ!!」

羅刹「は、はいぃぃぃぃっ!?」


お〜、こわっ。昔からあの時の玲奈には勝った試しがないだけに、やはり逆らえない。

惚れた弱み、という奴だろうか。いや、なんか違うな。

ま、ごちゃごちゃ考えるのは性分じゃないので、とっとと終わらせておこうかな。


羅刹「―――――薙ぎ払え、『燼月(しんげつ)』」


俺の声に呼応しながら、俺の斬魄刀『燼月』はその姿を解放した。




―side to out―



――――――――――



―side to 玲奈―




羅刹「―――――薙ぎ払え、『燼月』」


静かに唱えるように、夫はその『名』を口にした。


死神たちが持ち得る戦闘法の中に、『斬魄刀戦術』というモノがある。

先程夫が口にしたのは、その戦術の丁度真ん中辺り。

つまりは、斬魄刀の名を解放することだ。


護廷十三隊という場所はかなりの“エリート”と部類される死神たちだけで構成された、謂わば“エリート部隊”。

そんな場所へ入隊するには、ある一定の条件を満たさなければならないらしい。

それが、先程も話した『斬魄刀戦術』の一つである、斬魄刀の“始解”。


これを成し得なければ護廷十三隊に入隊することは難しいとさえ言われているほどである。

それだけに護廷十三隊に入隊した死神たちは皆プライドというモノが高い。

別にそれが悪い、というわけではないのだけれど、些か行き過ぎた輩もいるのでそこだけは否めないのが本音だ。


まあ、要するに。その“始解”とやらが重大なわけだ。

“始解”は、死神たちが生まれ持ってから手にしている斬魄刀の名前。

それを知るということは、その斬魄刀そのものを知るということ。


それだけに、ソレを知った死神たちは一人の例外もなく力を高めることができ、事実それに寄った能力、形状をしている。


私の夫である羅刹の斬魄刀の名前は「燼月」

その有する能力は、触れるモノ全ての灰燼。

つまりは触れたモノを悉く灰のように燃やし尽くし、この世から消し去る能力だ。

能力から解るだろうが、私の夫の斬魄刀は炎熱系。

刀剣は炎によって象られており、柄はその熱量を形作るための装飾がなされている。

わかり易い形を上げるとすれば、薙刀だ。


それはもう相手を薙ぎ払うことに特化したような形で、それだけ鋭利な切れ味と炎熱を持っている。

誇らしいと言えば誇らしい。

だけど、こちらとしては熱すぎるのであんまり解放してほしくないのだけれど、今のこの状況ではそうも言っていられない。

だから、我慢我慢。

そうよ。これは一種のサウナと思ってダイエットに適している熱さだと思えばちょうどいいわっ!


だけど、やっぱり熱いことには変わりないのでとっとと敵を蹴散らそう。うん。そうしよう。


玲奈「行くわよ、“シンフォニー”」

シンフォニー≪OK my Master.Let's rage――!(ええ、マスター。ひと暴れしましょう……!)≫


私は管理局に入局して以来の相棒である“デバイス”、“シンフォニー”とともに魔力を高め、敵に備えるのだった。



―side to out―

[Back][Next]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!