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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
PageK
〜柊邸・リビング〜


凍夜「全員、集まってくれたようだな」

リビングに溢れ返るような人数が、ほぼぎゅうぎゅう詰めで座っていた。

凍夜「では話そう。俺達の、体験してきた事実と過去を………」


全員がいることを確認すると、凍夜は静かに、その言の葉を紡いでいった。


――――――

―――





――――それは、知られざる過去。


少年達にとって、忌々しき記憶の残像であり、そして決して癒えぬことのないキズを、精神(ココロ)に負わせてしまった衝撃的な惨劇。



その真実は重く、それでいて悲惨な終幕。


彼らの身に起こった出来事は、およそ七年前のこととなる。

まだ穢れを知らず、友と笑い合い、はしゃぎ合い、そして絆を結ぶための時期であるはずの時代。


そんな時代に、少年達がその瞳に焼き付けてしまった惨劇――――


それは決して消えることのない聖痕として彼らの身体の中に深く刻み込まれているだろう。



さて、それでは語っていこうか。

彼らの惨劇と、それに至るまでの経緯の道標を。


…………
……




―七年前―





沢山の住宅が立ち並んでいる道を、駆け足で走り抜ける三人の人影。

背丈は小さく、外見からすれば子供。

歳は見た目だけならおよそ小学校高学年くらいの歳だ。


三人の少年達はさも楽しげに、ときにはふざけながらも茜色に染まっている帰路を元気に駆けている。



「…………うわっ!」


そんな中、一人(漆黒の髪をした)の少年が走っているときに足を引っかけたのか、盛大に転ぶ。

そりゃあもう顔面から地面にスライディングヘッドするかの如くの勢いである。


「あっちゃ〜………………」

「………あ、あはははは」


盛大にすっ転んだ少年に対して、一人(蒼みがかった銀髪を持った少年)はまたか、とでも言いたげな口ぶりで、もう一人(少し濃い目の銀髪の少年)は苦笑を浮かべながらもまたやっちゃった、と言いたげな面持ちだ。


「……ふ、ふぇ………………」


先程盛大にコケた漆黒の髪を持つ少年の瞳には大粒の涙が溜まり始める。

それは、一つの合図だった。

彼の瞳に涙が溜まっている様子を確認した蒼みがかった銀髪を持つ少年は、やれやれと言った感じで漆黒の髪を持つ少年に歩み寄る。


「……あのさ、いい加減そんなことでいちいち泣いてたら“雪香”ちゃんに呆れられるぞ?“凍夜”」

凍夜(子)「だってぇ〜……………」

「だってもへったくれもないっつーの。男ならここは我慢するべきことだぞ?」

凍夜(子)「……………う、ぐすっ……………ぅう……………」


正直、この頃の凍夜(子)は弱虫ですぐ泣く、所謂泣き虫さんだった。

今の彼と比較しても全然違うのが見て取れるが、今はそんなことは関係ないので後の楽しみに取っておこう。


「けど、いい加減そろそろ男らしくしないと、瑠璃ちゃんに嫌われちゃうぞォ〜♪」


カラカラと楽しく笑いながら、銀髪をした少年は近寄ってくる。


凍夜(子)「……………うぅ、“悠”くんも“刹那”くんと一緒で…………意地悪だね……」


まるで小動物のような瞳をしながら、悲しい眼差しを二人に向ける凍夜(子)。

だが、相手が彼と解っているのなら容赦など微塵もない二人だ。そこはお約束で、


刹那(子)&悠(子)『はっは〜♪あんまり変なこと言ってると、いい加減ミンチにしちゃうぞっ♪』


こういった毒舌が吐かれるのだが。


さて、そんな彼らは再び三人で歩み出すと、それぞれの家へと向かって一斉に走り出す。


彼らにも暖かく迎えてくれる家族がいた。


そう。この時までは……………

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あきゅろす。
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