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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
Page38
暫く静寂が周囲を支配する。

それは、まるでなにかを待っているかのような状態だった。


それは長い長い時間だったのかもしれない。

或いはとても短い時間だったのかもしれない。


だが結果として、その瞬間は訪れた。



ヤトノカミ「■■■■■■■■■■―――――――――――」

弱々しい声を上げながら、ヤトノカミがゆっくりと、本当にゆっくりと空から海へと落ちていく。


“ざっっっっぱぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!”という音を盛大に奏でながら、ヤトノカミが完全に落ちた瞬間だった。



ラバーズ『やっっっっっったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


ラバーズ達全員が、刹那達に変わって喜びの声を上げたのだった。




刹那「―――――――ふぅ」

額に浮かぶ汗を肺に溜まったままの息を吐き出すのと同時に拭う。

“全てが終わった”――――そう思った瞬間だった。



世界が――――――――――――――――揺れ始めた。



体中に纏わり付くヌメリとした嫌な殺気が海の底から這い出すように漏れている。

再び額のみならず身体全体から噴き出るかのように溢れ出す汗。


刹那だけでなく、凍夜や悠、創や稟、純一もヤトノカミが落ちた場所を一点に凝視し始める。


そして、先程歓喜の声を上げていたラバーズ達も、大気の振動に伴い、その元凶である海を不安な表情で凝視している。



世界が揺れ、大気が震え、そしてそれは摩擦するかのように振動している。


この状況を目の当たりにして、刹那達の本能は叫ぶ。

今の状況は非常に危険だと。

このままでは危険。

危険、危険、危険、危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険―――――――――――――――――――――――――――。



刹那「――――っ!!」

本能的になにかを察知したのか、刹那は一目散にメリアやライガ、香恋達のいる場所へと疾走する。



そして―――――――――――――――――、





“――――――――――――ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスッッッッッッ!!!!!!!!!!”




刹那「―――――――……ごっ………あ……――――――――――」







全身を―――――――――――――“貫かれた”。

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あきゅろす。
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