D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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ヤトノカミ「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!????????????」
これで何度目になるのだろうか。
数えることは出来るのだろうが、今はそんなことは関係ない。
今まで体勢を崩すことのなかったヤトノカミが、体勢を崩し始めたのだから。
刹那「はぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っっ!!!!!!」
細々と攻撃していた動きを止め、一度離れ大きく斬魄刀を振り上げる。
振り上げられた刀身には周囲の水分や霊子が渦巻き、巨大な渦となって集束し始めている。
それを、なんの躊躇いもなく刹那はヤトノカミに叩き込んだ。
剣から放たれる氷の刃は絶対的な冷度を以ってヤトノカミを襲う。
氷の刃をその身に受けたヤトノカミの体躯は前とは比べ物にならないほどの速度で凍結していく。
あまりの出来事に当惑しているのか、もがきながら自身を覆うとしている氷を剥いでいく。
その際に、自身の肉も剥げてしまっていることなど御構いなしに。
凍夜「なんだ?凍るのは嫌か。ならば、融かしてやろう…………おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
刹那の次に凍夜が攻撃を繰り出す。
先程の刹那とは違い、凍夜の周囲には黒い炎が漂い、剣に集まってきている。
それを斬撃を繰り出すのと同じ動作でヤトノカミに浴びせる。
放たれた黒炎の刃は未だに凍結していく自身の身体に狼狽えているヤトノカミに情け容赦なく降り注ぐ。
降り注ぐ炎は凍結していく氷を融かすだけでなく、そこに付着している肉や骨も徐々に融かしていく。
周囲に響き渡る痛みに悶え苦しむモノの悲鳴。
そこにさらに追い打ちをかける。
そう。稟と純一達だ。
彼らは四人同時に離れると、それぞれが優位となる位置まで移動する。
純一は創と対になる形の位置に。
悠は丁度二人がいる位置を線で結べば三角形となる位置に。
そして稟は、先程同様ヤトノカミの真上に。
四人全員が掛け声を合わせる。
悠&創&稟&純一『いっせーーーのぉぉぉでっ!!!!!』
全員が斬魄刀を振り切る。
創と純一は挟み撃ちにする形でヤトノカミの両脇から灼熱の鳳凰と妖弧を再び呼び出し、同時に放つ。
悠はそれのすぐにヤトノカミの真正面から彼のモノの肉や骨、臓物などを切り刻もうと真空が舞う旋風を巻き起こし、繰り出す。
稟はそれを合図とし、先程以上の槍の軍勢を以ってそれを真上から豪雨の如く降らせた。
凍夜と刹那の攻撃で弱り切っていたヤトノカミに、これ以上ないほどの追撃が放たれる。
ヤトノカミのこれは予期していなかったのか、成す術なくすべてをその身に受けた。
全ての攻撃が止むまでの間、周囲にはヤトノカミの悶え苦しむ悲鳴のみが響き渡る。
自身の肉を、骨を、臓物をグチャグチャに焼かれ、切り刻まれ、終いには貫かれていく。
それがどれほどの苦痛を強いるかは想像するだけでゾッとする。
だが、これは全て世界を護るための戦いだ。
そんな甘い感情など持っていれば即死に繋がってしまうことだろう。
その証拠に、彼らの表情などからはそのような甘さなど一切見受けられない。
それも当然と言えば当然なのだが。
放たれた豪雨の如き猛攻は暫く続いた。
だが、ここからが本当の意味での死闘になろうとは、このときの彼らは思いもしなかったであろう。
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