D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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海岸には、未だに愛しき人達を想う少女達の姿。
その背後に、複数の影が忍び寄っていた。
“カラン―――カラン―――カラン―――”
静まり返った砂浜に響き渡る下駄の音。
その音は何処か陽気な音を奏でていた。
少女達は音のする方に目を向ける。
するとそこには、複数の存在が立ち並んでいた。
メリア「あ、あなたは………っ!?」
立ち並ぶ者達の顔ぶれを見て、メリアは目を見開いた。
そこには、
浦原「どうも〜♪お手伝いに来ましたよ〜ん♪メリアサンっ」
紛れもなく、しがない駄菓子屋の店長の姿があった。
浦原「さてさて――――アタシになにか出来ることはありますかねぇ?」
メリア達の反応を見て、しがない駄菓子屋の店長は不敵に微笑むのだった。
…………
………
……
…
刹那「ちっ!でえええいっ!!」
振り上げた刃はそのまま蛇の鱗に叩き込まれる。
だが、その攻撃も効果は無く。以前同様弾かれてしまう。
稟「くそっ!いい加減に、止ぉぉぉまぁぁぁぁれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
攻撃を弾かれた刹那と入れ替わるように続けて稟が同じ場所に攻撃を仕掛ける。
だが、この攻撃もまた、以前と同様頑強な鱗の前に弾かれてしまう。
創「刃で斬れねぇならっ!燃やしてやれば済むんじゃねぇのか、よっ!!!!」
自身の斬魄刀の能力である『重力操作』を持ち得ても、ヤトノカミの侵攻は止まらず、苛立ちを含めた攻撃をただ力任せに見舞う。
刀身に纏われて灼熱は他を燃やし尽くさんと煌々と燃え上がりながらヤトノカミの鱗に叩き込まれる。
しかし、炎を扱うヤトノカミにとってはそれはただの食料にすぎず、鱗に触れた瞬間全てを吸い尽してしまう。
純一「はぁ、はぁ、はぁ、オイっ!ヤべぇぞっ!!もうすぐ初音島だっ!!」
創と同時に攻撃を繰り出しのか、荒い息使いの状態で後ろに視線を向けると、そこには初音島の姿が。
凍夜「安心しろ。あそこには一歩たりとも近づけはしないっ!!!!」
悠「まあ、こいつに足ないから一歩がどれくらいかわかんないけどねぇ〜」
凍夜は激動に、悠は軽口を叩きながらそれぞれ渾身を籠めた一撃をヤトノカミに見舞う。
派手な爆音と爆風。
それは“一応”効果があったのか、僅かだがヤトノカミの動きが停止する。
だが、それもほんの僅かな時間。
ヤトノカミは刹那の時を以って侵攻を再開してしまう。
刹那「くっ。あそこには、行かせねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」
侵攻を再開したヤトノカミに、刹那が再び叫びながら攻撃を仕掛ける。
それに続くように、ほかの者達も雄叫びを上げながらヤトノカミにそれぞれ仕掛けていく。
だが、ヤトノカミは止まらない。
それはまるで、人間(ヒト)を嘲笑うかのように。
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