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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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香恋達が場を離脱してから、刹那達はボロボロだった。



第一に不味かったのが、香恋達を庇った際に受けたヤトノカミの集束砲。


アレは刹那達が想像する以上の威力と濃度を持っていた。


刹那自身、自分が卍解と虚化をしてやっと防げる威力だろうと考えていたのに対し、その攻撃を悠と凍夜が卍解してともに防いだのだ。

故に、その分の減少は起こるはずだった。

そう、起こるはずだったのだ。


しかし、どういうわけかヤトノカミが放った集束砲は刹那が想像していた以上の威力を有しており、その所為(せい)で思った以上のダメージを受けてしまった。

ここから先、ヤトノカミ相手に全力で挑まなければならない彼らにとって、それはとても痛い減少でもある。


虚化の期限はそれぞれ決まってはいる。


刹那は万全の状態であれば丸五日は虚化していられる自信がある。

悠は丸三日。凍夜はトータルで言えば丸二日と一時間程度。


これほどの猛者達がこれだけの時間最強の姿でいられるのだ。

これが最強と言わずなんと言おう。


だが、これはあくまでもこの三人が万全の状態であればこその話だ。


しかし、この三人は先程の集束砲でかなりの体力、魔力、霊力ともに減少している状態。

この状態だとたとえ虚化が出来ても卍解によって減少していく霊力がいずれどちらか片方が足りなくなってしまうだろう。


故に、今の状況は三人にとって最悪な状態なのと一緒なのだ。


だが、ここにはもう一人、“虚化”を発現できる人物がいる。





刹那「さて…………どうする?」

凍夜「まずは、この者を此処から動かさないことを重点に置かなければな」

悠「まあ、俺達は四人いるわけだし、なんとかできるでしょ?ね?創」

創「頼むからその含みのある笑いは止めてくれ………後が怖い」



既にヤトノカミの集束砲で死覇装がボロボロになってはいるが、三人の身体にはこれといった傷は見当たらなかった。

その光景を見て、三人に対して、創は改めて思う。


“お前らのほうがよっぽどヤバい相手だな……”と。




刹那「チッ。まさか早々に虚化を使わされるとは思わなかったけど………………みんな、まだ余力はあるよな?」

刹那はまるで悪戯を思いついたような子供のように含んだ笑みをみんなに見せると、ほかの者達はやれやれといった感じで頷いた。



刹那「こっからは、手加減なんて言葉は必要ない。全力であのくそ野郎をぶっ倒そうぜ!」


刹那・凍夜・悠の三人から楔が解かれる。


それは、自身をコントロールするために施していた一種のリミッター。

周りの者達に影響を与えず、そして自分達はその圧にも耐えきれるようにと施していた、一種の封。



その楔を、刹那達は外し、そして全てを解放した。




そこに広がるは世界そのものを破壊しかねないほどの霊圧。

神さえも凌駕するのではと恐れられそうなほどの重圧が、その場一帯を覆い尽くす。


それは、まさに死神と呼ぶに相応しいモノが放つ禍々しさを纏い、そして荒々しくざらつきを生じ、この世の全てを呑み込まんと拡散する闇のそれと同義だった。


創「―――――――っ」


創の顔が強張る。

この異様なほどの圧に抗おうと必死に自己を保っているのだ。

これは創がすでにその領域に入っているから故に行えること。

だが、その領域に入っていない者は?




稟「……………くっ、平気か?純一」

純一「完全に忘れられてるようだけど……………………さすがにこれはきつい、かな……」




そう、この者達は創と違いその領域に達していない。

それ故に彼と違い圧し掛かってくる圧は半端なものではないはずだ。


必死に耐えようと霊圧を放出するも、あの三人を前にしてはそれも無駄骨になろうとしている。


もはや無理かと半場諦めていたときだった。



それは、ここにきて急激に治まった。



突然の出来事に少しばかり困惑する二人。


しかし、その答えはすぐに理解できた。



刹那達が霊圧の放出を止めているのだ。


如何に霊力を解放したとしても、いつまでも開いていてはすぐに霊力が枯渇してしまう。

そう、以前刹那は言っていた。


そのことを思い出した二人はすぐに自分達が放出している霊圧を抑える。


そして、そこにはもう場を威圧している空気はなく、ただヤトノカミの神々しくも禍々しい雰囲気だけがこの場を満たしていた。

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あきゅろす。
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