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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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その様子をやれやれといった感じで見つめている刹那達だが、急に顔を強張らせ、後ろに振り替える。


そこには、先程同様に周囲の魔力、霊力を収集し、集束させているヤトノカミの姿があった。



刹那「不味いっ!?早く行けっ!!香恋!サクヤっ!」


自分達の後ろでその圧に圧倒されそうになる二人に怒鳴り付けるように叫ぶと、瞬時に左手を顔の前に翳す。


刹那の声と同時に動き出す二人。


香恋はライガを、サクヤは士郎と諒を抱えながらその場から自身の誇る最高の速度でその場から離脱する。

だが間に合わない。

このままでは確実に死ななくてもいい命が最低でも6つは消えて無くなってしまう。

しかし、そんなことはさせない。


全員の気持ちが一致したとき、士郎は投影を、そして刹那達は卍解と“虚化”を―――



ヤトノカミが魔力砲を放つよりも先に士郎が投影により複製した偽・螺旋剣(カラドボルグ)を弓につがえ、そして穿つ。



そして士郎が小さく口にする。


士郎「――――――“壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)”」



紡がれた言葉は呪文となりて放たれた一矢を強力な爆弾へと変貌させる。


ヤトノカミの丁度目と鼻の先で士郎から放たれた偽・螺旋剣はけたたましい音を立てながら爆ぜ、そこにあるもの全てを吹き飛ばさんと四散する。




巻き起こる煙と偽・螺旋剣が爆ぜたことにより発生する爆風。



その瞬間、香恋とサクヤはその風圧に、まるで波に乗るサーファーのように文字通り風に乗りその場を一気に離脱した。





だが、ヤトノカミとてただやられてるつもりはない。

先程目の前で大爆発が起きたにも拘らず集束を止めることはなかった。


そして、それは風に乗って一気にこの場を離脱しようとしていた香恋達に放たれる。




悠「……そんなこと、」

凍夜「誰が………、」

刹那「………させるかってんだっ!!!!」


三人は集束砲の前に飛び出すと、恐怖というものを感じさせないほどの覇気でヤトノカミから放たれる破壊砲を身を挺して受け止める。


夥しいほどの衝撃と圧が三人に襲いかかる。

しかし、それは三人だけに留まらず、遥か後方を飛んでいるはずの香恋達のところにも余波として届いていた。



香恋「―――っ!?なんて、威力………!!」

サクヤ「刹那さんたちは、無事なのでしょうか…………」


身に届く激しいほどの余波をビリビリと肌で感じたサクヤは自分達以上の衝撃を受けているであろう者達のことを思い、そして心配そうな面持ちで視線だけを後ろに向ける。

サクヤのその言葉に、香恋はもちろん、ほかの者達も同じように心配そうな面持ちで一度だけ後ろに視線を送る。


香恋「大丈夫よ。私たちは私たちに出来ることだけをしなくちゃっ」

香恋は一度だけ振り返り、そして振り切るように前を見直すと一層宝具に魔力注ぎ、速度を速めた。

サクヤも香恋と同様の速度でその後を追う。


だが、このときの香恋の手が震えていることを、彼女の胸に抱かれているライガだけが感じ、そして悟っていた。

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