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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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男はその剣に手を触れる。

瞬間、なんとの言い知れぬ『気』が剣から放出された。

色合いや感覚で言うのであれば、その『気』はまさしく『邪気』と呼ぶに相応しいであろう。

普通の人間が邪気に触れると、身の心も崩壊し、そして本能のみで行動するようになる。

つまりは、『闇』に“呑まれた”と言ってもいいだろう。


だが、この男は邪気に体全体が浸かるほど触れているというのに、なんの変化も示さない。

それは、すでに『闇の住人』であることを意味している。


『闇の住人』とは、言葉通り闇にその身を染め、そして己を『闇』の恩恵を受けた者達のこと指す。

一度その身を『闇』に染めてしまうと、二度と元の存在には戻ることが出来ない。

それはまるで、『真祖』や『死徒』に血を吸われて『死徒化』したモノのそれと近い。

いや、もはや同種と言っても違いはないだろう。

それほど、この『闇の住人』と『死徒』達は異形の度合いが同レベルなのだ。





「くっ……ぬぅぅぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!」


先程見つけた剣の柄を握り、そして渾身の力を以って引き抜く。

最初は拒むかのように電気のような結界が男の手を焼いていくが、次第にその防御結界もなくなり、ゆっくり地面から抜けていく。


―――――――そして、





「遂に、遂に手に入れたぞ。―――――――“天叢雲剣”」





その剣、“歪曲する天災呼びし蛇龍(アメノムラクモノツルギ)”を手にした男は、その場で暫くの間、再び狂喜に満ちた高笑いをした。








「………さあ、完全なる復活を遂げる日が来たぞ、ヤトノカミよ」





あれから数分。

満足した様子の男は、未だに“芳乃カレン”が施した封印結界内でもがき暴れ出している“邪神”の本体、“ヤトノカミ”の前に先程手に入れた剣を掲げながら立っている。







「その忌々しい封印、この我が破壊してやろう。復活した暁には、今まで貴様を閉じ込めていた存在全てに復讐してくるといい。なに、私への礼や報復などはいいさ。私は貴様が完全に復活し、破壊の限りを尽くすのであればそれで充分なのだからな」


男はにやっと、文字通り邪悪な笑みを浮かべ、手に持っている剣、『天叢雲剣』を大きく振り上げ、そして“邪神”を縛りつける呪鎖を完全に断ち切った。


カシャァァァンッ、と金属が断ち切れる音とガラスが砕けていく音が洞窟全てに轟き、反響していった。








楔が解き放たれていく。





ヤトノカミ「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





けたたましい咆哮を撒き散らしながら、“邪神”と呼ばれ、人々を恐怖と絶望のどん底に突き落とした最凶の存在が、今ここに復活を遂げた。

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あきゅろす。
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