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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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刹那が香恋とライガに説明しようとしていたときと同時刻だった。

“ソレ”は、音もなく動き出した。


創「………なにを考えてるか知らないが、ここで潰させてもらうぜ」

創は未だに砂埃が舞うクレーターに一度刃を向け、そして振り上げた瞬間だった。

創「―――――っ!?な……んだ……この、霊圧はっ!?」


自分を襲う霊圧。

ソレは牙を剥き、今にも襲いかかってきそうな獣と同種だった。

そしてはたと気づく。

ヤトノカミ(分身体)がいる場所から、ソレは発生してるのだと。


創「(……野郎っ!一体なにを始める―――――っ!!?)」

瞬時に振り返り、斬魄刀を構え直す。

それと同時に響き渡る金属同士がぶつかる音。

そして、創は自分に攻撃を仕掛けてきた人物を見て目を見開き、我が目を疑った。


そこには、


ヤトノカミ(分身体)「コ、ロス……コロス……コロスッ!!!!!」


全てを殺そうと更なる異形へと変貌を遂げた、ヤトノカミ(分身体)の姿があった。


創「……ちっ。なるほどな。本体が近くにいるばかり、そこから力を取りこんで更なる力を得たはいいが、その体では許容できず、変わり果てた、というわけか」

今のヤトノカミ(分身体)の変わり果てた姿を見て、創は皮肉そうに呟いた。

そして、瞬歩で距離を置く。

しかし、ヤトノカミ(分身体)もそのあとを追い、瞬歩レベルの速度で創に迫る。


創「くそっ!瞬歩が使えるようになってやがるのかっ!?」

驚くべき速度で接近してくるヤトノカミ(分身体)に驚きつつも迎撃に入る。

金属がぶつかり音が辺りに響く。

創「ぐっ………………重っ!」

剣に圧し掛かる重圧。

それは例えるのなら時速100キロほどのスピードで自分に突っ込んでくる十トントラックの衝撃をその身に受けているような程の衝撃と重さだった


創「(くそ………!どうする!?こいつは今理性や思考とかそんなもんがぶっ飛んでる状態だ!ただ敵を殺すことしか頭にない獣の本能の塊そのものっ!それ相手にどう戦う?)」

頭の中で様々な思考が交差する中で、口元だけは薄ら笑いを浮かべていた。


創「(どう戦う?はっ。なに言ってんだかな。もう“策(て)”はあるって言うのによ……)」

そんなことを思うと、創は自身の斬魄刀の能力、『重力操作』でヤトノカミ(分身体)を再び地面へと叩きつける。

この『重力操作』の真髄は物体だけにあらず、全ての事象に干渉し、その重力を思いのままに操作することにある。

故に、今のように固体を急激に重くしたり、個体の周りだけを重くしたり軽くしたりすることも可能なのである。


地に落とされたヤトノカミ(分身体)はその呪縛から逃れようと必死にもがき、足掻く。


ヤトノカミ(分身体)「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

本体から更なる力を得たのか、本来立ち上がれないはずの体で立ち上がる。

そして、創に向かって驚くべき速さで突貫する。



だが、そのときすでに勝敗は決してしまっていた。



創「悪いが、一瞬で終わらせる。あんまりコレは使いたくないんでね」

迫りくるヤトノカミ(分身体)を前にして、創は自身の左手を顔の前に翳(かざ)す。

そして、唸りを上げる霊圧とともに炎が彼を包み込む。


ヤトノカミ(分身体)「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!!!!!」

力を得る前のヤトノカミ(分身体)ならば危険と察知し、近づかず迎撃の態勢に入っていたのだろうが、今のヤトノカミ(分身体)は本体の影響下を色濃く受けてしまっており、それを行うだけの思考も意思も残っていはいなかった。

恐怖もなにも感じることのない神(分身体)はそのまま炎に突っ込む。


しかし、それまでだった。


まさに一瞬の出来事と言うに相応しい攻撃だっただろう。

創を包む炎が裂けたかと思うと、ヤトノカミ(分身体)の身体諸共結界内の全てが二つに割れたのだ。

一般の者から見れば、なんの変哲もない速技だっただろう。

しかし、たったそれだけの攻撃に対し、結界内には爆ぜる音が轟き、灼熱の海と霊圧の波動が辺り一帯に広がる。


それが止むのを確認してから、創は自分がヤトノカミ(分身体)を殺す際に使用した力を解き、卍解も同時に解いた。


そして地面に降りた彼が最初に口にしたのは、

創「はぁ。早いとこ終わらせて、琉香の飯でも食いたいもんだなぁ………」

と、その場に不釣り合いなセリフだった。

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あきゅろす。
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