D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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〜あらすじ〜
前回、夏休みの休暇を利用して刹那達は神王と魔王が稟のために用意したとある小島、『神魔島』にバカンスに訪れていた。
その島にはかつて先々代の神王、魔王、霊王の三人が封印したとされる“邪神”が眠っているのだという伝説を、神王、魔王から聞かされる刹那達。
しかし、その伝説は現実となって刹那達に牙を剥いた。
“邪神”から生まれ出た個々に意思を持つ『分身体』との真の戦いが、今この時を持って始まりを告げ、そして悲しき伝説の終わりを告げていた。
メリア「あははは♪それっ♪」
愛香「きゃっ!もう、メリアちゃーんっ!うりゃっ!」
メリア「そんな攻撃、当たりませんよ〜♪」
愛香「な〜にを〜!待て待て〜!」
メリア「きゃあ♪」
ただ今、メリア達は再び海に遊びに来ております。
もちろん他の皆さんも一緒ですよ?
ただ出て来ていないだけです。
キキョウ「行くわよシアっ!」
シア「どーんとこいっすっ!」
キキョウ「そーれっ」
キキョウがビーチバレー用のボールを高々と打ち上げる。
ネリネ「あわわっ。リムちゃん!行きましたよっ!」
プリムラ「まかせてっ!てりゃっ」
キキョウから打ち出されたボールはプリムラに弧を描くように飛来し、プリムラはそれをうまく打ち上げる。
プリムラ「楓お姉ちゃんっ!」
楓「はいっ!」
プリムラより打ち上げられたボールは楓にとってもベストポジションに位置し、楓は大きく跳ぶとパシィン!という軽快な音とともにボールを敵コートに打ち出した。
亜沙「確かにそのコースはいい!だけど……ボクを忘れてもらっちゃあ困るよ!」
楓の打ち出したボールはコースの隅ギリギリに飛んだにも関わらず、亜沙は華麗なスライディングでそのボールに喰らい付き、上手い具合に仲間へと弾き上げる。
シア「サンクスっす!亜沙先輩っ!」
亜沙の弾き上げたボールはシアの真上へと飛来し、シアは一呼吸すると、ボールの軌道に合わせて跳び、そのまま楓達のいるコースへと叩き込む。
楓「ネリネちゃん、来ましたよっ」
ネリネ「は、はいぃぃっ」
シアより打ち出されたボールは不運にもネリネへと一直線。
ネリネも自分の運動能力の低さは熟知してはいるものの、やはり皆の助けになりたいがために身構える。
ネリネ「え、えいっ……ああっ!」
身構えはしたものの、やはりネリネには荷が重すぎたのか、ボールを弾くはずが逆に弾かれてしまい、ボールはそのままコースの誰もいない場所へと落下する。
プリムラ「ダメっ!」
楓「させませんっ!」
間に合いそうもない間合いから、二人が疾走する。
しかし、その間にもボールは地面へと落下していく。
そして――――――、
“ピピーーーーっ!!!!”
笛の音とともに、決着はついた。
楓「はぅぅぅ………」
プリムラ「あぅぅぅ………」
笛の音に、二人はがっくりと肩を落としている。
つまりは間に合わなかったのだ。
プリムラはともかく、楓はあと腕半分、といった距離にボールがあった。
それ故に楓の落ち込みには納得がいく。
シア「カエちゃん。そんなに落ち込むことないっすよ♪」
キキョウ「そうそう♪これは単なるゲームなんだし」
落ち込む楓に、双子が揃って励ましの言葉を送る。
楓「ですが、やはりあれだけ白熱した試合だけあって、残念です………」
楓はそう言いながら点数表に目を向ける。
結果は15−14。
確かに白熱した試合ではある。
それに、楓のチームにはネリネという重荷を背負ってのこれだけの試合を演じられたのだ。
やはり負けると悔しいものである。
亜沙「次の敗者復活戦で勝てばいいじゃない♪今日は目一杯遊ぶんだって、せっちゃんや稟ちゃんも言ってたんだしさ。今からそんな調子じゃ、最後まで楽しめないぞ☆」
楓「そうですね、はい!」
亜沙の言葉に、楓は笑顔で返す。
さてさて、何故彼女達がビーチバレーなどをしているのか。
さすがにいきなりこんな展開では物語がどのように進んでいるかわからないはずだ。
というわけで、まずはそこの辺りから回想に入りお教えしようと思う。
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