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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
Page28
サクヤ「……………音が…止んだようです、ね」

先程までしていた爆音などが聞こえなくなったことを不審に思ったのか、サクヤは創に語りかけながら周囲を警戒する。


創「………多分、向こうも終わったんだろう」

周囲を警戒しているサクヤに比べ、創は別段気にしていない様子。



すると、近くの茂みから物音が聞こえてきた。



サクヤ「……っ!?な、何者ですっ!?」

突然の物音にも瞬時に反応するサクヤ。

さすがは魔導人形、人間とは一味違うようです。


サクヤ「出てきなさい!何者かは知りませんが、わ、私のこの剣で、成敗してあげますっ!!」

威圧の声を出しながら背中に背負っている超振動式ブレイドを構え、茂みを睨み付ける。

しかし、一部声が上ずっていたりする。


そして、サクヤの威圧の声が効いたのか、茂みの中が一層大きく揺れ始めた。

揺れは大きくなり、音も次第に近づいてくる。


サクヤは生唾を飲み込み、来るであろう敵の攻撃に備えていた。

しかし、



凍夜「ふぅ…。やっと見つけたぞ」



茂みから出てきたのは凍夜であった。




サクヤ「………あ、あれ?と、凍夜さん……?」

凍夜「おうサクヤ。どうやら無事のようだな」

茂みから凍夜が出てきたことにポカンとしているサクヤに、すでにサクヤ達の無事を知っているはずの凍夜は“一応”心配しているふりをする。



創「さっきの霊圧、お前だろ?凍夜」

凍夜「なんだ、気づいていたのか」

創「当たり前だろ。あれだけ派手に戦っていれば誰でも気が付くさ」

凍夜「ふむ。それもそうだな」

二人は互いに確認するように会話をしている。

しかし、未だに状況を理解できていないサクヤだけ、置いてきぼりを受けていた。


凍夜「どれ、肩は貸すか?」

創「はっ、お前に心配されるほどやられちゃいないさ。それに……………」

凍夜「ん?それに……なんだ?」

創「いや、なんでもねぇ…(こいつに俺が始解したことはあんまり言わないほうがいいかもな…)」

創にも思うところがあるのか、最後の部分は言わずに立ち上がる。


創「さて、急いで帰らないと琉香に迷惑かけちまうな」

凍夜「そうだな。彼女、心配していたぞ?」

創「………っ、やっぱりか…」

凍夜「では戻ろう。サクヤ、行くぞ?なにを呆けている」

サクヤ「えっ!?あ、ひゃい!」

話が済んだ凍夜がサクヤに話しかけると、状況を整理していたのか、サクヤは何とも情けない返事をしてしまう。


創「はははは!『ひゃい!』、だって!あはははははははは「笑わないでくださーいっ!!」…ごほぉっはっ!!??」

サクヤの返事があまりに面白かったのか、創は腹を抱えるほどではないが、それなりに爆笑するが、すぐにサクヤの制止、もといロケットパンチで吹き飛ばされてしまう創であった。




サクヤ「ああああ……っ!?だ、大丈夫ですか、創さんっ!」

創「…………ふ。まさかあれほどのツッコミを持っていたとは…。お前は一人でもやっていけるぜ、サクヤ…………エースを、目指せ…ガク」

サクヤ「創さーーんっ!?しっかりしてくださいっ!それと、なんのエースを目指せばいいんですかぁぁっ!!?」

サクヤのロケットパンチで力尽きた創。

そしてその創に駆け寄ったサクヤは創の身を案じながらも創の言葉にツッコミを入れていた。



凍夜「…………………なにをしているんだか」



この光景を見ながら、凍夜はそんなことを思った。



その後、凍夜が気絶した創を背負い柊邸に戻ると、その状況を見た琉香が顔面蒼白していたのに対し、サクヤが必死に謝っていたとかなんとか……。

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