D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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先程の音にその場いた者全員が一斉にその原因に眼を向ける。
凍夜「くくくくくくくくくく………………………」
その向けた先には、未だに慎二に刃を突き付けたままの凍夜が奇怪な笑い声を上げていらっしゃった。
凍夜「……そうか、そうかっ。余程に死にたいらしいな貴様ら…」
声のトーンを若干下げつつ、慎二を開放する。
しかし、慎二を開放した途端、一気に殺気と霊圧が膨れ上がった。
慎二「………あ、ああ、あああああ………」
その殺気にやはり恐怖を覚えたのか、慎二は声にならない悲鳴をあげながらその場に腰を落としてしまった。
恐らく腰が抜けたのであろう。
心なしか、金ピカ王と青い槍兵のお二方も体中に汗をかきまくっているような……
ギルガメッシュ「………し、シンジ。我は急用を思い出したので帰るぞ…」
ランサー「………き、奇遇だなぁ。実はオレも急用があったんだ。いやー、危うく忘れるところだったぜ…」
顔を引き攣らせながら徐々に徐々に後退して行くお二方。
だがしかーし!
完全にぶちギレた鬼神(親バカ)様は簡単には帰してくれないんだよねこれが。
凍夜「何処へ行く気だ童(わっぱ)共。よもや、このまま帰れるなど…………」
―――――“思うてはおらぬだろう?”
地から響くような声に、その場に居合わせたもの全てがその場から動けなくなった。
しかし、刹那、悠、そして何故か娘の藍とルン達だけはその殺気にビビる事なく、それぞれ別のことを考えていた。
刹那「(……相変わらずキレると喋り方がジジ臭くなるな。てか、あの二人(金ピカ王と青い槍兵)は間違いなくガキではないだろ)」
刹那は微妙なところにツッコミを入れ、
悠「(あ〜あ。凍夜をキレさせるなんて命知らずな奴らだなホント。まあ、今から冥土に送られるから関係ないかなぁ。結界張っとこ。ん〜、軽く二十枚でいいかな…)」
悠は今から処刑……いやいや、極刑されるYJS委員会の皆様を気の毒に思いながらちゃっかり防御用の結界を自分達の周りに張り付け、
藍「(わあ〜♪お父さんかっこいい〜♪)」
ルン「(…父さん。り、凛々しい……。母さんたちが好きになった理由がちょっぴりわかった気がする……)」
娘達は娘達で父の逞しい(?)一面を目の当たりにして、藍はさらに凍夜のことを親として好きになったり、ルンは何故か顔を紅潮させながら凍夜の親としての好感度を上げていたりしていた。
凍夜「………死ね。『王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)』」
場面が戻ったと思いきや、凍夜は凍夜でこの設定を大幅に無視した大技をYJS委員会の方々にぶっ放した。
YJS委員会『――――――――――――っ!!!!!!!!』
放たれた青黒い巨大な閃光は、死の概念を纏いながらYJS委員会の皆様に直撃し、それを受けたYJS委員会の皆様は声にならない悲鳴を上げて、綺麗なお星様となりました。
刹那「………ふぅ。なんとか持ちこたえたか。サンキュー悠。助かったぜ」
悠「いやいや。助かったって言われてもな…。実際のところギリギリだからなんか素直に喜べない……」
そう言って悠は“最後の一枚”となった自身の張った結界を見ながら苦笑いを浮かべる。
しかも、その最後の一枚でさえ、所々亀裂が入っており、軽く殴っただけでも壊れそうな程弱々しかったので尚のことだ。
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