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D.C.S.B.〜永劫の絆〜
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夜一「ときに凍夜よ」

そんな笑い話となる会話の途中で、夜一が凍夜に声をかける。

凍夜「何ですか?夜一さん」

夜一「先程から気になっておったんじゃが、お主の腕にずっとしがみついておる娘は誰じゃ?」

この場所について以来ずっと凍夜の腕から離れようとしない少女を不思議に思ったのか、夜一はお父さん(凍夜)にべったりな藍を指差す。

凍夜「コイツですか?コイツはですね…。あっ、話すと長くなるんですけど…………」

夜一に聞かれては答えないわけにはいかない。

それについて話すために、時間がかかることを先に話すと、夜一には二つ返事で了承してくれた。

夜一「良い。全てありのままを話せ」

凍夜「わかりました。こいつは………」

凍夜は、夜一と浦原に全てを打ち明けた。

少女、藍が自分の遺伝子ととある少女の遺伝子を用いて造られ、生み出された存在だということを。

そして、本来ならば霊界に置いて必要な存在だったことも。

最後に、その“だった”という過去進行形のことについても、洗いざらい説明した。


場に、少しほど重い空気が流れる。


夜一「そうか。藍もさぞ、辛かったじゃろうな……」

沈黙だった場に、夜一の声が響く。

その声には、心の底から現れた感情のみが浮き出ていた。

そして、無邪気に凍夜に甘えている藍の頭を、静かにそして優しく撫でてやる。

藍は藍で、夜一からの撫でがくすぐったいのか、少しだけ頬を紅潮させながら夜一に微笑んだ。

夜一も、そんな藍の無邪気で愛くるしい微笑みを見て微笑み返す。


悠「ところで、浦原さん。俺達の住所ってわかりますか?向こうを出るとき、霊王様が俺達用の家を用意してくれたらしいんですけど………」

場の空気を壊すのが忍びないのか、悠は少しだけ申し訳なさそうに浦原にそう聞いた。

夜一「おおっ、そうじゃった。お主たちが来たら、渡しておいてほしいと、王から承っておったのじゃった。喜助っ」

浦原「はいはーい♪」

悠に言われ、文字通り思い出した夜一は浦原に店の中にある家のカギと地図を取ってくるように促す。

浦原「はい、これが受け取っていたものですよん♪」

そう言って、店の中から取ってくると刹那に家のカギと地図を渡す浦原。

心なしか、家の地図が少しばかり大きいような……いや勘違いだろうと、刹那達は思う。


刹那「さて、家の地図と鍵も貰ったことだし。俺達、行きますね」

鍵と地図を受け取った刹那は荷物(と言っても少量だが)を手に持ち、その場から歩き出す。

刹那「浦原さん、夜一さん。ありがとうございました」

メリア「それでは、失礼いたします」

凍夜「世話になりました」

悠「また機会がありましたら、お会いしましょう♪」

藍「ありがとう。おじちゃん、おばちゃん♪」

夜一「おう。達者での。道中気を付けるんじゃぞ」

浦原「たまには、うちの店にも顔出して下さいねぇ〜♪」

刹那と浦原は互いに手を振り返しながら、両者は別れた。

片方は新しい生活が待っている我が家へと向かうため。

片方はいつもと変わらない生活を送るため。


それぞれ、歩き出した。

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