短編小説
バレンタインデー(雲雀/ギャグ甘)
彼女設定
イタリア人と日本人のハーフ
日本語はペラペラだけどイタリアから来たばかり
【バレンタインデー】
2月14日
日本では「バレンタイン」という行事は常識だがそれはあくまで「日本では」の話。
応接室。
ここは風紀委員…と言うより、委員長の雲雀恭弥が個人的に使用している部屋である。
その応接室に置いてある高そうなテーブルの上にはラッピングされた箱が沢山乗っている。
今にも雪崩が起きそうだ。
「…。これ何?」
名前にとって2月14日というのはただの平日であって、応接室の光景は異様なものだった。
「なんか甘い匂いがする」
それは当たり前。箱の中身はすべてチョコレートなのだから。
「不要物だから没収した」
この部屋の主はそう言う。
1日でこんなに不要物を没収してきたのなんて初めて見た。
「今日ってなんか特別な日なの?」
素朴な疑問。
「バレンタインだよ」
…なんだそれ?イタリアにはそんなものなかった気がする。
バレンタインデーというのは日本だけのものであって、今までイタリアで過ごしていた名前はそれを知らなかった。
「…ふーん…」
「理解してないでしょ」
「うん」
即答。
だって知らないものは知らない。
「バレンタイン?だっけ。なにそれ」
「好きな人とかにチョコ渡して告白する日。」
「ああ…、だからこんな甘ったるい匂いが…」
匂いが甘すぎて気持ち悪くなってきた。
「知らなかったってことはチョコ用意してないんだ?」
「?うん。知ってたとしても恭弥甘いもの嫌いじゃん。」
私も甘いものは好きじゃない。
食べるとなんかこう…
鳥肌が立つ。
今だって匂いを嗅いでいるだけで吐きそうだ。
…女がこんなこと言っていいのか?
とりあえず換気する。
ってゆーかさせろ
「チョコ、欲しかったの?」
冗談半分で聞いてみる。
「うん。悪い?」
誰も悪いとは言ってな…ん?
ちょっと待て。
「欲しかったの?!」
冗談だったのに!!
そのときいきなり応接室の窓があき、変態南国果実が入ってきた。
「雲雀くん!!僕へのチョコr「ないよ」
入って来ようとしていたのは骸で、恭弥の答えを聞いた瞬間落ちた。
「あいつと仲いいの?」
と聞くと
「そんな訳ないでしょ」
と即答された。しかも心底嫌そうな顔をしている。
可哀想に
「チョコ、ないんだよね?」
パイナポーの話終わり?
ってゆーかなんか嫌な予感がするんですが?
「だったら代わりに君をもらうから」
やっぱりきた。ベタな展開。
恭弥はこっちに近づいてくる。
「え、ちょ?知らなかったんだからしょうがないじゃん?!ちょっとホントにや…ぎゃああぁぁ」
end
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!