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短編小説
アイノコトバ フラン/甘?
言いたいことと違うことを言ってしまう自分が、情けなく思えた。

『アイノコトバ』

「怪我したんですかー?よくそんなんでヴァリアーやってられますねー。」

可愛くなくて、腹黒くて、憎まれ口しか叩かない同僚。

せっかくベル先輩に可愛いカエル被らせて貰ってんだから性格も可愛くなればいいのに。
ってゆーかあれカエルであってんのかな。
たぶんそーだよね、うん。

「からかいに来たの?」
「バカにしにきたんですー」

ああもういっそのこと死んでくれないかな。
怪我って言ってもかすり傷が頬にできただけなんだけどなぁ。

「あ、そう。じゃあね。」

生憎、コイツの虐めに付き合ってるほど私は暇じゃないんだ。

「ボスのとこですか?」

報告しにいくんだからボスのとこしかないだろ。

「ミーもいきます」
「来るなよ…」
「行きたくて行くわけじゃないですー」

今、すっっごい小さい声でいったのになぁ。
地獄耳め。

「早く報告済ませて休もう……」

なんかもう疲れた。
休みたい。
ってゆーか眠りたい

「休めるといーですねー」

頼むからそんな不吉な事言わないでくれ。
あぁ、嫌な予感してきた。

「失礼します……」

どうしよう、指令室着いちゃった。

「……おい、カス」

ボス怖ぇ。
あ、なんかもう口調が…
いーよもう。すべて管理人のせいだ。

「その傷は何だ」
「…部下の一人にスパイがいたようで、少し油断した隙にやられました。」

なんか投げられたらどうしようかな。
スクアーロ隊長以外にやってるとこ見たときないから大丈夫だと思うけど。

「そいつはどうした」
「海に沈めてきました。スパイ、と言っても下っ端のヤツでしたから重要な情報は漏れていないはずです。確認も済んでいます。」
「……………」

無言が一番辛いってこのボスはわかってるんだろうか。

「まぁ、いい。次の任務だ。」

次?
あの、私帰ってきたばかりなんですけど。
しかも誰と?
私の隣にいるのは毒舌ガエルだけだ。

「今回は2人でいってもらう」

ああぁぁぁぁ!
嫌だ。今の聞かなかったことにしたい。


結局、私の願いは叶わなかった。



「最悪、なんでよりによってフランなのよ。しかも任務やっと終わったと思ったのに。どーせならスクアーロ隊長とかのほうが楽なのに。」
「全部聞こえてますよー」


ここは任務に向かう途中の飛行機の中。

「とにかく私寝るから。」
「じゃあその間に顔に落書きしてやりますー。」
「やったらベル先輩にピンクのカエル被せるように言ってやる」
「ふざけんな」
「口調くずれてるわよ」
「気のせいですー」
「とにかく、疲れてんだから休ませなさいよ」
「勝手にすればいいじゃないですか」

落書きするとか言ってきたのは誰だ。
このクソ蛙

「あ、そう。じゃ、おやすみ」
「そのまま永眠してください」

なんか聞こえたけど無視しよう。
うん。

疲れていたので目を閉じるとすぐに意識が遠くなった。



「…ま、名前様っ」

暫くして部下の声で目が覚めた。
ってゆーか起こしてくれたっていーじゃん、フランのバカ。

「…顔に落書きされてないよね?」
「はい?」

窓に映った自分の顔をみて落書きが無いことを確認する。

「フランは?」
「もう降りています」
「そう、ありがと」

ま、落書きされなかっただけマシか。

飛行機から降ると部下が言ったとおりフランがいた。

「なんで起こしてくれなかったの?」
「間抜け顔だったんで部下にみせてやろーと思って起こしませんでした」

この腹黒蛙め!

「ベル先輩に言いつけてやる…」
「あんな堕王子怖くないです」
「めでたい頭してるのね、フラン」
「名前だけには言われたくなかったです」

殴っちゃダメかな?
ベル先輩に頼んでサボテンにしてもらおーかな。

「にしても、ベルセンパイと仲いーですね」
「そう?(ほとんどフランのせいだけど。)」
「はい。見ててムカつきますー」
「…フランってさぁ」

もしかして……

「ベル先輩のこと、実は嫌いじゃないんでしょ?」
「…………は?」

ベル先輩が私と仲良くしてるから嫌なんだ。
気づかなかった。
これからあんまりベル先輩と喋んないようにしよう。

「もういいですー」
「へ?あ、フラン?!ちょっと待ってよぉ」

なんなんの、一体。

「(鈍いにもほどがありますー)」





「やっと終わりましたー」
「早く帰ろー」

任務が終わり、本部に戻るとルッスーリアがいた。
最初は「ルッスーリア先輩」と呼んでいたけど水臭いからやめて、と言われた。

「ただいまぁ」
「あら、お帰り」

ルッスーリアは(一応)女の気持ちを分かっているから色々話しやすい。

「随分疲れた顔してるわねぇ」
「任務続きだったから……。早く休みたいんだけど報告済ませなきゃ……」
「大変ね……ん?」
「?どうかした?」
「首に何かついてるわよ」
「え?嘘……」

急いで手鏡でみてみると首筋に小さな紅い痕がついていた。

「虫さされ?」
「んー、でも痒くも痛くもないしなぁ…」

「じゃあそれキスマークじゃないの?」
「はぁ!?」

キスマーク?
なんでそんなものが私についているのだろう。
彼氏なんて居るわけないし心当たりも……

ある。一つだけ

「ぁ、名前!?」

あんの蛙どこ行きやがった。

フランを探すために屋敷の中を走っているとベル先輩を発見した。

「あり?名前じゃん。何やってんの?」
「あ、ベル先輩!フランみませんでした?」
「見てねぇけど?」
「ミーに何か用ですかー?」
「あ、いた!」
「そーいや、お前首の痕どーしたの?」
「ミーがつけました」


やっぱりコイツか!

「どーしてくれんのよ、これ!」
キスマークを指してフランに詰め寄る。

「いーじゃないですか。分かりやすくて」
「なにがよ?」
「…名前って鈍いな」
「今初めてベルセンパイと意見が合った気がしますー」
「だからなんなの?!」
「ま、ガンバレ」
「言われなくても頑張ってますー」

コイツら人のこと無視して話ししやがって……

「意味分かんない……」


まだまだ素直にはなれないけれど、いつか君に囁こう。
甘い甘いアイノコトバ


あとがき

やっと終われました…←←←

ここまで付き合っていただいた名前さま、ありがとうございます!

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