FinalFantasyT 19.クレセントレイクの町へ……… 光の一行は目覚めた優羅を連れ次の町へ向かう準備をしていた……… 『これで良いか?』 「あぁ、あと、回復用のアイテムを買っておかなければな………」 自分の荷物をガサゴソと漁っては、あーでもないこーでもないと独り言を言いながら優羅は準備をしている。 「……優羅。落としたぞ」 『あっ、悪い……』 ポーチから落ちたアイテムを拾おうとしていた優羅の手が、同じく拾おうとしていたウォーリアの手と触れる。 ふと、昨日の事を思い出した。 そう言えば、ウォーリアは私の事を好きだって………言ってたっけ………。 なのに、ちゃんと返してなかったな………………… 『なぁ、ウォーリア……』 「何だ?」 『昨日の事…………………嘘じゃ、無いんだよな?』 「当たり前だ。私はお前の事を愛している」 真顔でさらりとそんなことを言ってのけたウォーリアは再び準備をし始める。 そんなウォーリアに優羅は顔を真っ赤にする。 『あ、あんま恥ずかしいことさらっと言うなよ!』 「だが、事実だ」 さも当たり前とばかりに言うウォーリア。 『…………………そ、そうかよ///』 自分で聞いて恥ずかしくなったのか、優羅は俯きながらそう呟く。 そんな仕草が面白いのかなんなのか、ウォーリアは終始笑顔だったそうな。 メルモンドの町− 『取り敢えず、準備はOK。あとは何処の町に行くかだな』 宿から出た優羅は次の目的地を何処にするかで悩んでいた。 『本筋はクレセントレイクだけどな〜他のとこにも行けなくないんだよな………』 ストーリー上はクレセントレイクに向かい。そこから火のカオス・マリリスを倒しに行くのが妥当だろう。 しかし、そこに行くにはあるイベントを通過しなくてはならない。 イベントを通過しなくても、行けないことはないが…………………。 優羅は理由を作るのが面倒らしい。 その為、イベントのキーとなる人物を待っていたのだが………………… 『どこにもいない………』 そう、どこにもいないのだ。 一通り町の中を探し回るが、結局見付からない………………… 『…………………まさか、ね』 優羅はそう呟くと、武器屋から手頃な短剣を買い町の外に出てみることにした。 そして案の定………………… 「こ、来ないでくださいぃぃぃ〜」 モンスターに追いかけられる某預言者様がいましたとさ。 『何でまた…………………。まぁいいか』 優羅は頭の中に残る疑問を一度隅に追いやり、預言者・ルカーンを助けに行った。 「…………………ありがとう、ございます」 ゼエゼエと肩で息をしながらルカーンは優羅に礼を言う。 優羅はルカーンの背中をさすっていた。 『大丈夫か?』 「は、はい。なんとか…………………」 『取り敢えずここは危ないから、町に行こう』 深呼吸をして落ち着こうと頑張っているルカーンに優羅は町を指差してそう言った。 「分かりました。後、お話があるので皆さんを呼んでいただけますか?」 『勿論』 というわけで、優羅は心の中でガッツポーズをしながらメルモンドに戻った。 ・ ・ ・ ・ 『次の目的地はクレセントレイクって町だったな』 ルカーンから一通りの話を聞き、火のカオス・マリリスを倒しに行くことになったようである。 「ここから西真っ直ぐ行くと。たどり着くらしい」 「クレセントレイクか………」 『?ヤヌス。お前クレセントレイクに行ったことあるのか?』 「あ、いや。行ったというか、なんというか………」 珍しく言葉を濁すヤヌスを優羅はどうかしたのか?という顔で見ている。 「人の言えない過去にあまり入り込むのはよくないぞ優羅」 『それもそうだな。悪かった』 「いや、いいんだ。言えない俺も悪い……」 「珍しい。ヤヌスにも、言えないことってあるのね」 「人はそれぞれ言えない事情を抱えてる物なんじゃないかな?」 『確かにな。そうかもしれない』 四人はそれで納得し、クレセントレイクの町に向かった。 続く………………… [*前へ][次へ#] [戻る] |