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FinalFantasyT
11.王子のお目覚め大作戦!―3

アストスを倒し水晶の眼を手にいれた一行はマトーヤの洞窟に戻った。


『マトーヤさん?着きましたよ』


「あぁ、優羅。戻ったのかい」


『はい。どーぞ』


優羅はそう言ってポーチから水晶の眼を取り出すとマトーヤに渡す。


「ありがとう。この恩は忘れないよ」


『いえいえ。マトーヤさんがくれたミスリルの剣のお陰で勝てたようなものです』


アストスの弱点であるミスリルの剣は実際戦闘でかなり役に立った。
お陰でまた袋叩きで勝利を納めることができた。


「よし。出来たよ」


マトーヤはそう言って小さな袋を優羅に渡した。


『これが目覚めの薬ですね?有り難うございます』


そう言って頭を下げる優羅にマトーヤは笑いなが「また来なさい」と言った。


『それじゃあ。お元気で!』


「無理はするんじゃないよ!」


『分かりました!』


そんなこんなでエルフの城に戻った一行は薬を使って王子を目覚めさせた。


「有り難うございます。この恩……どう返したらいいのでしょうか」


目覚めた王子は開口一番にそう言って悩み込んでしまった。


『あー。じゃあ、神秘の鍵を貸していただければ…………………』


かなり悩み込んでいる王子にしびれを切らした優羅はこれからの旅を進める上で必要なものを一つ頼んだ。


「鍵?いったい何のために?」


そう口を開いたのはウォーリア。
他の三人も、意味が理解できないのか不思議な顔をしている。


『それは後でのお楽しみ…………………だ』


そう言って薄く笑うと王子に向き直ると「どうだろうか?」と言った。


「鍵でいいのならお渡ししますよ。本当にそれだけでいいのですか?」


鍵以外何も要求しない優羅に王子は驚いたようにそう言うが優羅はいたって普通にこう言った。


『だって。世界を救う旅なんだから、やたらと要求するのは良くないっしょ』


「おおっ。流石は光の戦士!素晴らしい人ですね!」


そう感嘆の声をあげる王子に対しウォーリアたちは少し困ったような顔をしていた。


実はここに来るまでに基本的な装備はすべて揃え、ウォーリアと優羅はこの世界で最強の装備であるミスリルの剣を持っているため。特に貰うものもなかったのだ。


「これが、神秘の鍵です」


そう言って渡されたのはミスリルの剣と同じように不思議な色合いに輝く小さな鍵。
神秘の鍵というだけあって、雰囲気は神秘的である。


『有り難うございます。王子』


「あの…………………」


鍵を貰って次の行き先に向かおうと扉に向かった優羅は、王子の引き留める声に振り向いた。


『はい?』


「もし……良ければ、その。また遊びにでも来てください。喜んで迎えますので」


そう言って紅くなりながらモジモジしている王子に「有り難う」と軽く礼を言うとウォーリアたちと共に船に戻るのだった。


船内―


「それで、次に行く目的地は決まっているのか?」


『あぁ、一度コーネリアに戻ろうと思う』


鍵を貰い、船の中に戻った一行は次の行き先について話し合っていた。


「コーネリアに?」


そう言うウォーリアに優羅は頷くと、コーネリアに向かう理由を話始めた。


『実はエルフの町に行ったとき、内海と外海を繋ぐ洞窟をドワーフたちが作ってるって言う噂を聞いたんだ』


「それがコーネリアに向かうのと何の関係があるのかしら?」


『それが、そのドワーフたちが作ってる洞窟。未完成らしくてさそれを完成させるための<ニトロの火薬>がコーネリアの開かない宝箱に隠されているんだとさ』


「そっか。それで、開かない宝箱を神秘の鍵で開けようとしてるんだね?」


『ん。そゆこと』


「そうか、なら一刻も早くコーネリアに向かわないとな」


『うっしゃ!コーネリアにレッツゴー!』


「「「オー!!!」」」


「…………………元気だけは有り余っている様だな」


そう呟いたウォーリアの声は優羅の耳には届かず風に溶けていくのだった。


続く…………………



______
あとがき

終わりました。と言うか終わらせました。
もしアストスのところ書いてたら多分後二話くらい増えていたかもしれない。
すっ飛ばしちゃってごめんなさい。
暇があったらアストスのところ短編で書こうと思います。
次はもしかしたら二人が急接近するかも!?です。
(ない可能性120%)








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