FinalFantasyT 7.新たな旅立ち…… 城に戻った光の一行は王から謝礼と北の橋を直してくれると言う素晴らしい褒美をもらいました。 『これで北の地にも行けるな。やっと本格的に旅が始まるのか』 「そうだな。あまり無茶なことはしないようになさい」 『何で諭すように言うんだよ』 「直ぐに無茶をしそうだからだ」 『そっスか』 おおっといけない。つい口調がティーダになってしまった。 「ぁ、あのっ!」 丁度王から謝礼を頂き宿に戻ろうとしていた優羅たちに声を掛ける人がいた。 『あ、セーラ!どうしたんだ?』 「お前、いつの間にセーラ姫とタメで話せるようになったんだよ…………………」 呆れた様子のヤヌスをスルーして優羅はセーラ姫のもとに向かった。 『どうかしたのか?』 「あ、これっ。あなたに…………………」 『?これって…………リュート?』 「えぇ。もしかしたら役に立つかもしれないから持っていてほしいの……」 そう言えば、ラストでカオスの神殿に入るときリュートが必要になるんだったな。忘れてた…………………。 『有り難う』 そう言って微笑むとセーラ姫は紅くなりながらも「どういたしまして」と呟くように返した。 「ホントに仲良いのね?羨ましいわ」 『へへっそっか♪』 「わっ!優羅さんっ!」 嬉しさのあまりセーラ姫に抱きつく優羅に四人は呆れたように笑うしかなかった。 宿にて― 「じゃあ、これで準備はOKね。あとは各自自由に!」 『ちょっと外に行ってくる』 「どこに行くんだ?」 『ちょっとね』 「おいっ……」 ウォーリアの制止を振りきるように優羅は宿の外に出た。 夜も更け星空がキラキラと光を放つ。 そんな空を見ていると、今までの事やこれからの事、何となくどうにかなるような気がした。 「優羅」 夜空を眺めながらぼんやりしていると。後ろから見知った声が優羅を呼ぶ。 『ウォーリア?どうしたんだ?』 「それはこちらの台詞だ。夜の街は危ない、直ぐに宿に戻れ」 振り向かずに優羅が答えると、ウォーリアは少し怒ったようにそう言った。 あ、怒ってんな………………… 『ごめん。少し考え事しててさ……』 「一体何を?」 『どうやったら自分の世界に帰れるか』 「…………………。」 旅の序盤からこう言ってしまうのもなんだが、彼女は世界を救うこと前提で考えている。 しかし、もとの世界に帰れるか?と言う疑問には答えが出ていない。 そもそもこの世界ではイレギュラーな存在である彼女が、この世界にどんな影響を及ぼすのか…………………分からないのだから。 「…………………もし、帰れなかったときはここで暮らせば良い」 『まぁそれはそうなんだけどさ。一応私にも家族は居るんだ……。帰れなきゃ、心配するだろ?』 「家族…………………」 優羅は少し困ったようにそう言うと、ウォーリアに向き直った。 『ウォーリアは世界を救ったら何をしたい?』 「私か?」 『あぁ、そうだ』 「…………………分からない」 『だろうな』 そりゃそうだ。だって世界を救うために生きているような人なのだから。世界を救ったら……何て、考えられないよな。 『…………………。』 「…………………。」 暫く二人は黙り込み、重い沈黙が二人を包んでいた。 そうすると。空気の重さに堪えられなかったのか、優羅は軽くのびをすると「宿に戻ろう」と言った。 その問いかけにウォーリアは「あぁ」と返し、二人は宿に戻るのだった。 次の日、北の橋を渡り港町プラボカに向かった。 こうして…………………探求の旅は始まったのであった………………………………………………。 続く………………… ______ あとがき 七話です。やっと序盤が終わった…………………私は結構FF1のBGM好きです。 特に飛空挺のBGMとか。 シアトリズムファイルファンタジーとかかなり面白いです。 一度やってみる価値アリですよ♪ [*前へ][次へ#] [戻る] |