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FinalFantasyW
6.謎の老人と八匹の水蛇(?)


『……八匹の水蛇……ですか』

「そんなもの本当にいるんだろうか……」

「いたら、どうするの?」

『倒すしかないでしょう』

「よくもまぁ、簡単に言ってくれるね」

『何言ってるんですか、たかだか8匹。百戦錬磨の暗黒騎士様に適うはずないでしょう?』

「これって褒めてるの?」

「半分馬鹿にしてる」

『よくお分かりで』

「何年友達だったと思ってるのさ」

『何年でしたっけ?』

「…………」




こんな能天気とも取れるような会話をしながら、街から北東の地下水脈へと向かうセシル一行。

湧いてくる魔物は雑魚に等しいのでカウントなどしない。
それが彼らである。

そんな2人はリディアを挟んでセシルが前に、アルティスが後ろに並んで隊列を作っている。

どこぞとも知らぬおばさんにリディアを後ろにしろなどと言われたが、そんな事をしたら後ろからリディアが襲われてしまうではないかと少し呆れ気味に話を聞いて今の隊列なっている。


もちろん先頭はセシルでなくてはいけない。
なぜなら…………。


『いいじゃないですか相手雑魚ですし、それに僕あんまり体力ないんですよー。だから、助けてください。ね?(棒)』

「ね?じゃないよ。完全に君……戦うのめんどくさがってるよね!?」

『横からくる敵は一掃してますよー?』

「え?何それ。逆にそっちが凄いんだけど」

セシルは話しながらも敵を倒すスピードを緩めない。
一方アルティスも真顔で棒読みの状態ではあるが横から飛んでくる雑魚を言葉通り一掃しながらリディアを守っていた。

しばらく地下水脈を進んでいると人の姿を見かけたアルティスは剣でセシルをつつきながらその老人と見受ける人物を指した。


「アル?剣で人をつついちゃダメだって何回言ったら……」

「ヌッ、お主! よく見れば、暗黒剣の使い手じゃな! 頼む、手を貸してくれ!」

「……。」


セシルが先のアルティスの行動を咎めようとしたのを見計らったかのようにやってきた老人に少しだけ舌打ちしたい気持ちにかられるのは決して自分だけではない。
そう思ったセシルであった。


「どうしたんです?」


気持ちを切り替えて話を聞くと、娘が吟遊詩人に騙されてダムシアンへと行ってしまった為、嫌な予感がするダムシアンに一刻でも早く着きたいらしい。


娘の名はアンナ……と言うことは。


『貴方が賢者テラ』

「あ、貴方が!?」


アルティスは少し驚いた様子のセシルをちょっとだけからかいたくなったが、それを我慢して話の続きを促す。


「いかにもテラじゃ! しかし、この先の地下の湖にいる巨大な魔物に手古摺っとる。 とてつもない力を持った奴じゃ! 私の魔法だけでは倒せん! お主の暗黒剣とならば!
!? なんと! その子は召喚士か。 かなりの資質を持っておる。」


リディアに視線を向けたテラは驚いた様子でリディアを見つめる。

そんな視線に少し怖がるようにリディアはセシルの後ろへと隠れた。


「ダムシアンへは、僕らも行かなくてはならないんです!」

「ならば決まりじゃ! 一刻も早くダムシアンへ!



ほぼ流れ作業のように話が進んだ事にアルティスは少し疑問を感じたが、気にしても無駄だろうと思うことにした。


『嫌な気配……というのは気になりますね』


ボソリと呟いたアルティスの言葉にテラは頷く。


「なにやらとても悪しき気配を感じるのじゃ」


そう答えたテラの表情は硬い。

アルティスは肌で感じる妙な違和感が、きっとその嫌な気配何だろうと感じていた。
何時なんどきも己の命を救ってくれた勘に対して絶大な信頼を置いている。

だからこそアルティスはその感覚におののいた。



もしかしたら……間に合わないかもしれない。



それだけはあってはいけないと思いながらも、嫌な汗は止まらない。


できれば、助かって欲しいと思いながら4人は先へと進んだ。


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