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ソラゴトモノクロ
いーくん
戯言遣い視点。




同居生活を始めた女の子は異世界人だったことが判明した。

玖渚が言うなら信じるしかないのだが。


全く、傑作だよな。
アイツはとんでもないヒトをぼくに預けたらしい。
友恵ちゃんはごくごく普通の子と言い張るが、ぼくの中では《異世界人》決定だ。

まぁ、ぼくは零崎が迎えに来るまで面倒見ればいいだけなんだからどうもしないだろう。

よくよく聞き出せば、零崎は2ヶ月ほど異世界で友恵ちゃんと暮らしたらしい。

アイツ、別れた直後に異世界に行ったんだな。剣呑剣呑。

そう言えば、友恵ちゃんは零崎が《ここ》に連れてきたと言っていたけど。《この世界》のことか。

じゃあ零崎が、無理矢理友恵ちゃんを引っ張り込んだ。

何のために?

離れたくないがために?

それは…───。

戯言だよな。

それは零崎に問い詰めよう。


友恵ちゃんは玖渚と仲良くなった。また遊びにくると約束していた。
ゴスロリは可愛かった、うん。
玖渚も友恵ちゃんのことを気に入ったらしい。ちょっと嫉妬。




アパートでは一悶着起きた。

萌太くんのやつが、空いてる部屋に友恵ちゃんを住ませたらどうかと提案したのだ。

七々見が便乗し、ぼくとの同居は危険と言いやがった。
かなりの人数にそうするべきだと言われるとぼくも従うしかなかったのだが、おどおどしていた友恵ちゃんが精一杯反対した。

すぐにいなくなってしまうかもしれないだとか、勿体無いだとか、色々理由をつけて丁重に謝ってぼくの部屋に居候することをまた頼んできた。

そこまで言うならと、友恵ちゃんを心配した皆は引き下がってくれた。


友恵ちゃん、人気者だ。

崩子ちゃんや七々見と仲良くなれたらしく、三人でガールズトークなんかしてた。
七々見に変なこと吹き込まれないよな。と心配。
みいこさんになついた様子で剣道を教わると嬉しそうに飛び跳ねてた。

萌太くんとはあれ以来話したところは見てない上に、友恵ちゃん煙草が大嫌いと(心底嫌そうに)言っていたので近付かないかもしれない。
そこのところは崩子ちゃんと気が合うらしい。


こうしてみると。

異世界の人間だなんて、全く感じられず、普通の人間じゃないのかって思った。
戯言だけどね。


友恵ちゃんは、本当にいい子だ。
礼儀正しいし、ツッコミしたり、からかうと楽しい。

無邪気に笑ったりするけど、たまに寂しそうにぼぉとするところは、玖渚と違うと思った。

色んな顔をする。
友恵ちゃんは玖渚と違ってきっと泣けるんだろう。
玖渚と違って、友恵ちゃんは普段から笑ってない。

大人しくちょこんと座ってる友恵ちゃんは、傷つきやすく繊細なんだと思う。
簡単に、壊れそう。
まぁ、戯言なんだけどね。




20100619

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あきゅろす。
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