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楽しむ黒猫
091 明日



   ズルッ


「にゃ!?」


枯れ葉を踏みつけた椿は間抜けなことに危うく転ぶところだった。


   ビュウッ


「っ!!」


危うく右腕を砕かれるところだったが一つに結ばれた髪が少し巻き込まれたぐらいですんだ。


しかし、それで椿の怒りが込み上がった。


「にゃろっ!!」


右から左足を振り上げて雲雀の肩を蹴ろうとしたのだ。

だが雲雀の方が上手だった。


   ガッ


トンファーで防がれた。
防がれたと言うよりも叩き付けられたのだ。


左足首に強烈な痛みが走った。


っ〜〜〜〜!!ふにゃっひぎゃあ〜…たんみゃー!」

「・・・・・・」


椿は右足を押さえてその場にしゃがんでしまった。

情けないぐらい擬音を上げる椿に仕方なく雲雀はタンマを受け入れる。


「…何?」

「何じゃない!!足痛い!」

「痛くしたんだけど」

「ひどぉい〜!」

「もういい?続きをして」

「続きは明日にしてくださぃ!」


痛みででた涙を拭いて椿がそう言った為、雲雀は聞き返した。


「……明日?」

「9時までならなんとか付き合えるので…学校ない分」

「明日もやるつもりなの?」

「やらないんですか?」


キョトンと首を傾げたのに椿にもキョトンとした顔で見上げられた。


「………やる」


雲雀は頷くことにした。


椿は帰ろうと立ち上がったたが地面についた足に痛みが走り震え上がる。


「っっっひぃ〜!!」

「いつもの強がりはどうしたの?」

「十分強がったよ!!あたし一度だって骨折ったことないんだからね!」

「大丈夫だよ、折れてはない」


あっそ!!それでも痛いよ!!、と怒りながらも椿は片足でピョンピョンと転がる棒をとりに向かった。


「おんぶして」

「救急車に運ばれるぐらいぐちゃぐちゃにしてあげようか?」

「冗談に決まってるでしょ」


軽く流して椿は先を歩く雲雀の腕の裾を摘まんだ。


「………」


明らかに不自然な歩き方で椿は隣を歩く。


……ホントムカつく人だ


ボソリと呟いた。


「ごめん、聞き取れなかったんだけど」

「…」


多分自分に言ったのだろうと思い、椿は首を傾げてきいた。
すると雲雀は足を止めて見上げる椿を見る。



 


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