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楽しむ黒猫
089



「待ってください、椿さん。僕も行きます」

「いいですよ、雲雀君は群れが嫌いですから」


椿はやんわり断ってから本当に家を出ていってしまった。


「まじでいきやがった…遊姫のやつ」

「だ、大丈夫かな!?」

「……」






暗くなった公園に椿と雲雀は入った。


「…それ、六道骸の武器?」

「うん」

「ふぅん、使えるの?」

「まっさかぁ。見よう見まねでしか無理ですよ」


椿はクルクルと長い棒をバトンのように振り回した。

雲雀はただ口を尖らせている。


「一つ聞いていいですか?」

「何?」

何を苛立っているの?

「………………」


棒を両手持って突っ立った椿はキョトンと首を傾げた。


「骸君?それとも同居?それともあたしですか」

「……始めるよ」

「…手加減してくださいね」

「やだね」


   ガキィンッ!


雲雀から向かってきた為、椿は棒で受け止める。
リーチを生かして棒を振り雲雀を一旦引かせた。


「ったぁ〜!まじ手加減なしかよ」


振動で手が痺れる。


「休んでる暇は、ないよ」

「!」


顔を目掛けてトンファーが振られた為、慌てて椿は一本下がり避けた。

ビッと鋭い風が頬を掠める。


「っ」


やったな、と椿は横から思いっきり棒を振り上げた。


   ガキィンッ


無論、受け止められダメージを食らうのは椿。ピリッと手に痛みが走った。


「弱いね」

「あん?」


確かに雲雀に比べたら弱い。
だからと言って弱いとはっきり言われて頭にこないわけない。


「!」


   ドンッ


雲雀の腹部に椿の足が入れられた。離れた雲雀が不機嫌そうに睨み付ける。


「君挑発に乗りやすいね」

「乗って欲しいんでしょ」


椿は痺れた手首をブンブンと振って笑みを返す。


「生身を蹴るのっていい気分じゃないんだよね、雲雀君武器で叩くの気持ちいい?」

「うん、気分が晴れるよ」

「根本的に性格がねじまがってるよね。とりあえず、右手だけは勘弁してもらえませんか?」

うん、いいよ。右手から潰してあげるよ


にやり、と意地悪な笑みを向ける雲雀。やはり性格がひねくれてる。


(まぁ、そんなひねくれ雲雀さんが好きなんだけどね)


漫画で見るなら好きだ。
だが、やられるのは好きではない。
痛い目に遭って嬉しいわけない。マゾじゃあるまいし。



 


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