楽しむ黒猫
087
「「意味わかりません…」」
綱吉と骸の声は重なった。
「だって今…ボコボコにされてたじゃん!なんで!?」
「男の友情を男に問われても困るわ。あれだよ、雲雀君にボコボコにされた後に“よし、お腹減ったから一緒に食べにいこう”的な乗りで行くようなもんだよ。わかるでしょ?」
「わからないね、有り得ない」
「ねーよ、ぜってぇ!」
綱吉に問われて椿は彼らに例えたら否定された。
ボコボコにされて快くその相手と一緒に食べれないだろう。
「えー、そんな友情ごっこをしてください」
「ごっこって言ったねι!今!」
「友情青春、中学生のうちからやるべし」
「そんなの青春じゃないよ!!」
「不良の青春だよ、ね?皆」
「どうしてオレ達に聞くんだよ!?」
「くだらない」
「僕は優等生ですよ」
不良青春について話し合っていればテレビの中はまた喧嘩を始めた。
「ひぃっ!!」
「うしっ!そこだ!」
「バカちげぇ後ろ!そこでパンチ!」
パイプなどを使って喧嘩する不良達を見て盛り上がるのは椿と獄寺。
綱吉は悲鳴を上げた。
「に、日本刀持ってるよ!?これ中学生設定だよね!?」
「ヤクザに通じてれば手に入るんじゃない?山本君と一緒だよ」
「否定できない!!」
オレの世界もかわんねぇ!!と綱吉は頭を抱えた。
「なんだよこの主人公!逃げてばっかじゃねぇか!!」
「とんだ腰抜けですね」
「ねぇ、こんな感じの群れ近くにいないの?」
「あーいないいない」
フリフリと椿は手を振った。視線は先程かっこいいと言った脇役。
彼は喧嘩なれしていて奇襲をした不良達を倒していった。
苛々。雲雀はムッと口を尖らせた。
それから散々と椿は青春場面の度に綱吉の肩を叩いた。
「ほら!友情が芽生えた!」
「喧嘩して友情が芽生えるなんて子供ですか」
「いーじゃないですか、汚い大人より子供がいい。ねぇゴックン」
「だからなんでオレに聞くんだよ!!変な呼び名つけるな!」
「ツー君、ゴッ君、ムッ君、キョー君。いいじゃない」
ねー?と椿は同意を求めた。
綱吉は苦笑して骸はいいですよと笑顔を返される。
獄寺と雲雀は気に食わないらしい。
「ゴクンは?キョンキョンは?」
ふざけてるのか、と二人が睨み付けるが椿は笑うだけだ。
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