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楽しむ黒猫
006



「………………は?」


手にとって確認。
かなり厚い札束は全て一万円札。
勿論椿に見覚えはない。

束ねている紙を見てみれば、ボンゴレのエンブレムがあった。


「………沢田君、ボンゴレからの届け物みたい」

「へ?Σさ、札束!!!?

「これ家賃に回していい?」

「何故そんなものが貴女のベッドにあるんです?」

「だーからぁ、神様の悪戯なんだって」


椿は軽く笑いのけた。
どうしてなんか知るわけない。今は神様の悪戯として片付けよう。

雲雀はベッドから降りた。


「六道君と先に外に出てて」

「あ、はい…」

「ちっ!ボロアパートだったら果たすぞ」

「僕ここがいい」

「駄目です。外に行って」


雲雀の背中を押して一同を外に出した。
手にある札束を見て、溜め息を一つ。


(せっかく銀行からおろしたのに)


もう1つ銀行からおろしたお金を財布にしまって鞄に入れる。

また溜め息をついてから家を出た。


数十分歩いてアパートについた。
キョロキョロした四人に笑いながらも人気のない道を行き、辿り着いた。


「こ、ここ!?」


部屋に入り綱吉が一番に声を上げた。
部屋は新品その物だ。

椿の言葉を今、理解した。
12畳のリビングと寝室、壁際にはソファその前にコーヒーテーブル。

これを骸が値切りに値切ったそうだ。


「ま…まぁまぁじゃねぇか…」


認めたくない獄寺は素直じゃない。


「で?どうするの」


ドスンとソファに座って雲雀は椿に聞いた。


「まずは六道君にお礼を言いなよ」


椿はためらうことなく言った。
しん、とした空気に綱吉はおどおどする。


「え、と…ありがとう」


綱吉が先に骸に礼を言った。


「…いえ」


骸自身椿の言葉に驚いていたらしく、椿を見ている。


「ほら、獄寺君。雲雀君」


椿は気付いていないのか、雲雀と獄寺を急かした。

雲雀は無視を決めてベランダを見ている。獄寺は苦い顔をして椿を見る。


「ちっちゃいプライドを捨てなきゃ服買ってあげないよ。六道君のおかげなんだからほら言った!」

「ちっ!!礼を言う!」

「……礼を言うよ」


二人はぶっきらぼうに言った。
満足したのか椿は骸に笑みを向けた。
にこりと骸も笑い返した。


 


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あきゅろす。
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