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楽しむ黒猫
53 可愛らしい笑顔




「あ!」


しかしとれない。
直ぐに綱吉はまたコインをいれる。
トライしたが無理だった。

また綱吉はコインを入れてトライする。

引き上げて成功かと思いきや、落っこちた。


「「あーっ!!」」


また失敗。


「あの、10代目。オレがとりますよ」

「ううん!自分でとってあげたいんだ!」


見かねた獄寺が言うが綱吉は首を振った。

とって、あげたい。

椿の為にとってプレゼントするつもりらしい。


「……10代目…」


骸に対抗心か、それとも彼女の笑顔が見たいが為なのか、獄寺にはそれがわからない。

だが、もしかしたら
否、まさか綱吉は彼女を…─。


あっ!!、とれた!!」

「やりましたね10代目!!」


とれるまで綱吉が集中して緊迫していたが、とれた瞬間に両手を空に突き上げた。

獄寺も喜んで笑顔を向ける。


「あ、いたぁー。探したよ、雲雀君と骸君が面白い対決してるからみてみ……あら、綱吉君がとったの?」


するとそこに丁度よく椿がきた。
よほど面白い対決なのか愉快そうに笑っていた椿は綱吉が手にした黒い猫を見て目を輝かせる。


「あ、えっと……椿ちゃんに…て」


戸惑いながらも綱吉は椿に差し出した。
椿はキョトンと目を丸くして驚く。


「え……あたしに?」


そっと椿はぬいぐるみを持つ綱吉の手に触れた。


「う、うん…あげる」


触れてドキッとした綱吉は照れながらも頷いた。


「ありがとう!ツナ!」


椿はぱっと笑顔になる。

ギュウッと椿はそのぬいぐるみを掴み抱き締めた。


綱吉はキュンッと胸を射止められる。


「大事にする!綱吉にとってもらったなんて嬉しい!一生大切にするよ、ありがとう!」


あの幼げに見える無邪気な笑顔が向けられる。

本当に嬉しそうににっこりする椿があまりにも可愛く見えて綱吉は頬を赤らめたまま見とれた。


最高に可愛らしい。
歳上にこんなこと思うなんて変かもしれないが、すごく可愛いと思った。


猫のぬいぐるみを抱き締めるているなら尚更だ。


「ね、ほら行こう」


椿は片腕に抱いたまま綱吉の手を引いて雲雀達の元に戻った。



 


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あきゅろす。
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