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楽しむ黒猫
47



前から手を伸ばして椿は骸の髪を拭く。


骸は平然と微笑みながらオッドアイの瞳で椿を見つめた。


「目付きがエロいよ、骸さん。どした」

「クフフ、それは君の方ですよ?僕が男で君は女だと忘れない方がいい」

「それはわかってますよ」


椿はキョトンとして骸を見上げた。
性別なんてわかりきっている。


わかっていないと骸は呆れたように笑った。


椿はそんな彼のオッドアイを数秒見つめてから逸らす。


「?」


それが少し変に思い骸は首を傾げた。
椿は目を合わせない。


「椿さん?」


目を合わさせようと椿の頬に触れようとしたが

まるで椿は避けるようによけた。


空振りして骸はキョトンとする。


違和感がした。
呆然と手を見つめていれば椿が離れる。


綱吉達の帰宅だ。


「おかえりー」


椿はたタオルを持って駆け寄った。
ずぶ濡れの綱吉と獄寺。


「アハハ…すごい雨だよ…ι」

「お風呂あいたから綱吉君から入る?」

「でも獄寺君…」

「10代目お先にどうぞ!」


水に滴った獄寺は綱吉にニカッと笑みを向けた。
言葉に甘えて綱吉は先に入ることにしたらしい。

椿は獄寺にタオルを渡した。


「ありがとう、二人とも」

「…けっ」


買ってきたジュースを受け取って椿は冷蔵庫に入れた。

それから二人の着替えを出して浴室の前に立つ。

獄寺が綱吉が出るのを待っているように腰掛けていた。


「君達の着替えこれでいい?」

「ん、あぁ」

「ちゃんと拭いて、風邪引いちゃうよ」


椿はタオルで顔を拭いてやった。


「うるせーよ」

「かっはっはっ」


突っ張る獄寺に椿は笑う。


「色男さん、風邪引かないようにね」

「……」


椿は撫でてからその場を去った。

獄寺はむっすりする。


 


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