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楽しむ黒猫
003



「えっ…」

「ざけんじゃねぇ!!こいつは敵だ!!」

「敵だろうが仕方ないよ、一緒に来たってことは必ず一緒に戻るはず。だから一緒にいなきゃ帰れない」


んーまぁ憶測だけど、敵意剥き出しの獄寺君を黙らせることはできるっしょ


「約束できる?沢田君、六道君。まぁ沢田君から攻撃するわけないと思うし、問題は武器を所持している君達三人なんだけど」


ベンチの背もたれに腰掛けて沢田君以外を見る。
問題児なのよね…

ヴァリアーがくる前に逆トリップしちゃったみたいだからボンゴレリングは片割れしか持ってないみたい…


「嫌だね、群れるなら咬み殺す」


ギロリと六道君を睨む雲雀君。


「並盛に帰れなくていいんですか?帰るまでの辛抱ですよ。
 六道君は歳上だから解ってくれます?貸しつくってもいいんじゃないですか?彼らの住みかは君にかかっている」

「…貴女に考えがあると言うことですか?」

「えぇ。君の能力で何とかしてもらうつもりです、どうします?約束できますか?」


雲雀君を宥めて、六道君を見る。
オッドアイを見つめて答えを待つ。

四人一緒じゃなきゃ帰れないって、脅したから頷いてくれるだろ。
約束を守るかどうかは謎だけどね


「仕方ありませんね、契約のチャンスでしたが一時休戦といきましょう。ボンゴレ」

「うっ…うん」


あたしににっこり言ってから沢田君に目を向けた。


「よしっ決定ー!とりあえず君ら今夜は野宿してて」

「結局野宿かよ!!」

「だって朝にならなきゃ不動産行けないもの」


ベンチから勢いよく降りて言ったら獄寺君につっこまれた。


「明日、住む場所は六道君と私がなんとかするよ。だから補導されないように一夜を過ごして」


ファイト。


「君が戻ってくる保証はどこにあるんだい?」


歩き出したらベンチに座った雲雀君に止められた。


「あー…そうね。信じて、あたしが好きな漫画のキャラクターは見捨てないよ」


軽く笑い返して言った。


「朝食もって朝くるから大人しくそこにいてね」


手を振ってあたしは家に戻った。


夢見心地でかなり眠かった。
朝、起きて公園に行ってもきっと…

いないんだろうな



ぼんやり思って眠りについた。






現実味のないリアルのせいで運命が決まったなんて、あたしは知る由もなかった。



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