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楽しむ黒猫
36 四人のマンマ




うがいをしてから椿は彼らの家に向かった。


「おはよう!椿ちゃん」


中に入れば綱吉がお出迎え。


「………」

「?、椿ちゃん?」


じっと初代に似た顔付きの綱吉を椿は見つめた。


「…君に罪はないよね」

「えι?」


ポンポンと椿は綱吉の頭を撫でた。


朝飯を作ろうと椿はキッチンに立つ。


「おはようございます、椿さん」

「おはよう、骸君」


骸がカウンターから顔を出して挨拶してくれる。


「昨日の騒動ですが……何か異変はありませんか?」

「異変?」


首を傾げれば、骸は続けた。


「縄張り意識が無駄に強い彼らが仕返しをする可能性が高いでしょう?」

「…うん、そうね。警察沙汰にはなっていないみたいだけど………暫く学校いけねー


椿は包丁を持ったまま項垂れた。
顔を見られ雲雀達と逃げたのだから同犯だ。
捕まったらとんでもないことが起きる。


「やっべーな、学校退学かも。ハァ〜何すりゃいいのよ」

「何って決まってるでしょ、この家の専業主婦」


隣に立った雲雀が切った梨をつまみ食いして言った。


ワォ、学生から専業主婦かい?この歳で四人の子供を持ったお母さんかぁ


つまみ食いはダメよ、ともう取られないようにカバーする。

デザートの梨だから。


「というか、雲雀君キッチン似合わないね」

「君に言われたくない」

「彼は作るより破壊専門のようですからね」

「黙れ」

「あら、あたしも破壊専門ですよ」


椿は笑って言った。


作ったものも貰ったものも…壊しちゃう


ボソリと呟いた言葉。
卵を焼く音で掻き消される。


「雲雀君、冷蔵庫のウィンナーとって」

「……」

「とってください」


言い直せばちゃんと雲雀は取って、ソファに戻っていった。


「あ、ご飯忘れた。パンでいいよね?」

「今夜はハンバーグだよね」

「はいはい」

「いただきます!」


(………やべ、主婦って感じしてきた)


料理を作り、並べて、子供が食べる姿を見る。何処ぞのお母様だ。


(夫は誰?なんちゃって)

今くだらないこと考えたでしょ

「……」


雲雀に言われて椿は遠い目をした。



 


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あきゅろす。
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