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楽しむ黒猫
35



「え、えぇと……もしかして貴方が彼らを連れてきたんですか!?早く帰してあげないとヴァリアーが来てメチャクチャに!」


そうよ!あの子達よ!
もう5日目になる!

最悪になるのだめ!


「お前は人のことばっかだよな…ホント」


掴みかかれば呆れたように初代は笑った。
うっ…近くで微笑まれるとクラクラする


「彼らは元いた時間にちゃんと戻る」

「…ほんと?」


あら…それならいくらこっちにいても大丈夫じゃない


よかった…


「そうだ」

「…どうして彼らはこの世界に?」

「君が惹き付けてしまったんだ。オレが君を見付けたと同時に道が出来て来てしまった」

「…………ごめんなさい、設定がイマイチわからない」


えっと…?
つまり、あたしの、せい?

あれ?なんであたし?


「なんであたしを…探していたんですか?あたしなんか」

「シーっ」

「ん」


疑問に思ったこと全部聞こうとしたら唇に彼の指が触れて遮られた。


「氷のリングだ」

「?」

「時がくればわかる」


唇に触れた指が頬をなぞる。


「金は君の物だ、貸しは返したからな」

「?、だからあの、意味わからな…」

「椿」


十分の一しか理解できない。
また初代はあたしの質問を遮った。いい加減怒るわよ!


   グイッ


「んっ!?」


唇に何か押し付けられた。

目の前には綺麗な金髪と綺麗な顔。
大きな手で頭を掴まれて引き付けられて、キスされてる。


「ふっ、ん」


慌てて押し退こうとしても男の人の力には敵わなくて、振り払えない。

呼吸に意識がいかなくて、息苦しくなる





   バッ


「ハァ……クハァ…!」


気付いたらベッドの上に膝をついていた。

枕の上には毎日のように現れる例のお金。エンブレムが浮き出た紙で束ねたそれ。


枕に抱き締めて声にならない叫びを上げる。



あのっ…初代!!

初対面に何してくれてんだ!!!


顔が燃え上がるように熱くなる。


次会ったらぶん殴ろう。



 


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あきゅろす。
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