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楽しむ黒猫
34 初代




驚きのあまり震え上がった。


真っ白な空間。
落ちてしまうかと思った。


しかし、手にはちゃんと床の感触があって落ちそうにもない。


なんだ?ここ…


周りを見回してみながら何故ここにいるかを考えた。

夢だ。
だってさっきベッドに潜り込んだもの


夢だと思いたかったのに、床の感触が夢らしくない。
瞬きもできるし…眩しいし…

なんだ、これ。


   コツ…


足音がして振り向けば前方に誰かいた。
ウソ、さっきいなかったのに。
一面の白い中、見過ごすわけない。

黒いマントだし普通わかる。


………あれ?


   コツ、コツ


歩み寄る人を重視した。
黒いマントにスーツ。

金髪の髪に綱吉君に似た容姿……


「………初代…?」


ボンゴレボス初代。

じっとあたしを静かな瞳で見下ろす彼。

思わず見とれてしまう…
かっこいい…

凛々しい姿、かっこよすぎ。


ぽかーんとしてれば彼は目の前に立った。


「……」

「……」


え…何?
どうして黙ってるの?初代さん?


「……………っこのバカ猫!!!!


   ビクゥウウ


綺麗な顔がいきなり鬼のように怒った顔で怒鳴り付けてきてあたしは震え上がった。

いきなりの音に驚くんです、はい


てか、は?猫?
あの、あたし何かしましたか?

初代様を怒らせるようなことしましたか?


どれだけお前を探してたと思ってる!?気まぐれも大概にしろ!!全く貴様はオレを惑わせてばかりで変わらないな!このバカ猫!!


すげぇ怒られてるよあたし。
全く何の話かわからないのですが…


「我が儘に付き合うオレの身にもなれ!!だいたいなぁ」

あの!!


まだ続きそうだけど
聞いててもわからないから勇気出して止めた。


「…何の話だかさっぱり………間違えてませんか…?」


誰かと、と恐る恐る彼に聞いてみた。
だって…初対面ですよね?


「………お前だ」


不意に彼は微笑んだ。

綺麗すぎる微笑に胸がキュンとして頬が熱くなった。


「とりあえず立て」


そう言って初代は手を差し出す。

言われた通りあたしはその手を掴んで立ち上がった。

わ…人の肌の感触がする…
夢じゃない。

じゃあ………この人


「……本物の初代さん?」

「………キモ


ちっ!!
こいつ言いたい放題だな!!



「貴様がさん付けなど気持ち悪い。ジョットと呼べ、椿」


あんた名乗ってないのに何名前で呼んでんですか


 


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あきゅろす。
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