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楽しむ黒猫
32



「調子こくなブス!!」


振り払ったことで怒りを買ったらしく、女の人はあたしを殴ろうとした。

顔面だったから咄嗟に拳を受け止める。


その手を握って捻り、蹴り飛ばす。


いやいや、蹴っちゃだめでしょ。
だから軽く押すような形になっちゃった。


「てんめぇっ!!」


起き上がった彼氏さんがあたしに向かってくる。

男なら蹴っていいよね


…あれ?これもずれてるよね?


ヒョイと避ければ、後ろに気配がした。

がっと腕が首に回される。


「おい!コイツがどうなってもいいのか!?」


あたしにライターが突き付けられた。
え、知り合い確定ですか
しかも人質って…

大人気ないよ先輩。

不良のポリシーは女に手を出さないじゃなかったんですか?


とりあえず焼かれたくないから、彼らを見てみた。
ピタリと動きを止めている。


あたしを気にかけてくれてるみたい、よかった
どうするかな?


綱吉君はかなり大慌てして青ざめてる。
雲雀君は無表情。
獄寺君は睨んでる。

骸君は微笑んだ。

…?

彼の瞳が何か変わった。


   ボトッ


あたしの周りに蛇が落ちてきた。
えっと…畜生道?


「うわぁああ!?」


本物の毒蛇…だっけ?
蛇だけでビビるよね。

あたしを捕まえる腕が緩んだから脇に肘を打ち込んだ。

蛇は消えて、バランスを崩した男を雲雀君が待ってましたと言わんばかりに振り回したトンファーで叩き付けた。


それまた酷い音。


あたしは骸君の胸に飛び込んで獄寺君の服を掴んだ。


「スモークない!?目眩ましして!」


言われた通り獄寺君はボムを投げる。弾く音と同時に辺りは煙に包まれた。


「早く逃げるよ!!」

「えぇ!?」


骸君の背中を押して雲雀君を引っ張って綱吉君を押した。

ひたすらダッシュ。

とにかく走れって怒鳴ってやって家に隠れるように入った。


「ハァ…ハァ…!」


廊下でダウンしているのは椿と綱吉。


「10代目、大丈夫ですか?」


獄寺も少し息をあらげたが綱吉を心配していた。

骸と雲雀はリビングに寛いでいる。


「ちょっと……君達…」


綱吉を引っ張りながらも椿は睨み下ろした。


骸は爽やかに笑って飲み物を差し出して、雲雀はソファに腰掛けてそっぽを向いている。


「何故来た、何故喧嘩した」


バンッと座った床を叩いて椿は問う。



 


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あきゅろす。
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