楽しむ黒猫 001 拾った 例え話よ 例えば、この公園を出れば全く違う世界に足を踏み入れちゃうとか 例えば、その扉を開けば異世界にいけるとか 例えば、いつものベッドに飛び込んで目が覚めたら違う世界にいたとか 何気ない行動からワクワクする世界に飛んでいくような、そんなあり得ないことが起きることを願う。 高校生になってもそんなこと思っているから、現実が嫌いになって 作り話<物語>にのめり込んでしまうんだろう 神様はいるもんだ なんてぼんやり思う。 「初めまして、遊姫椿です。はい、君から」 「さ、沢田綱吉です…」 「けっ…獄寺隼人だ」 「……雲雀恭弥」 「…六道骸です」 よし、自己紹介はすんだ。 で?どうしましょう。 学校帰りに夜の公園を歩いていれば、あらまぁ ポンって落ちてきたのよね。 見事な可笑しな四人組が私の目の前に現れた。 「だーからぁ、君は大人しく座っててよ。勝手にいなくならないで」 さっきから一人で行動する雲雀恭弥を掴む。 そうすれば睨まれて、出されたトンファーを向けられた。 危うく頭をぶん殴られるとこだったけど、顔の手前で六道骸が止めてくれた。 「女性に手を上げるのはどうかと思いますよ、雲雀恭弥」 「とりあえず、ここは貴方の並盛じゃないから一人で行かないでください」 六道骸の言葉にますます怒った顔をしたからあたしは言った。 「この世界では君達は漫画の住人ってことはわかった?」 一度家に帰って漫画を突き付けて、納得させた。 とりあえず六道骸がいるから黒曜編の巻まで押し付けてみた。 「あの……えと、わかったけど…どうしてオレ達がこんな、世界に?」 「どうやったら帰れんだよ!?」 「早く返してよ」 「僕も牢獄にいたはずなのに何故彼らとこんなところに?」 「知りません。何故来たとか知りません、帰り方もわかりません」 あたしに詰め寄られても困るし。だっていきなり現れたもの。 あたしが連れてきたわけじゃないもの。 [次へ#] |