楽しむ黒猫 024 猫 「おめーは犬か!!」 「ど、どっちかと言うと猫じゃないかな」 「みゃあー」 綱吉が言えば椿は猫を真似て鳴いた。 「猫……」 「おや、猫ですか」 雲雀と骸が椿を凝視した。 あーん、と魚肉をねだって口を開ける。 それに思わず吹き出す。 「どうぞ、椿さん」 「わーい」 「ワォ、君彼女に好かれたいのかい?」 「おや?相手にされなくて不機嫌になっているんですか、雲雀恭弥」 骸の箸にかぶりつけば、二人の空気が凍てつく。 それにキョトンとする椿。 「僕を真似るのはやめたらどうだい」 「クフフ、僕はただお腹を空かせた彼女に与えているだけですよ」 ゴゴゴゴゴ、と何か戦闘ムードに入っている雲雀と骸は椿にまた箸を向けた。 何の張り合いだよ、と獄寺は呆れた目を送る。 当の張り合いの道具にされている椿は2つの箸を見つめたが 「あ!洗濯しなくちゃ」 思い出して立ち去ってしまった。 浴室に向かった椿を一同は唖然として見る。 まるで空気を読んでいないと言うか、マイペースと言うか。 決して流されない。 気が向くままの猫のよう。 「「……」」 仕方なく宙をさ迷う箸を二人は自分の口に入れた。 それから黙々と食事をする。 「あ、あの…椿ちゃん、朝食食べてない?」 「ううん、ちゃんと食べたよ〜。ちょっと小腹が空いただけ」 「…あの、自分でやりますよ」 「あ!!そうだよ!」 「いいよ、やるよ」 雲雀以外が椿の洗濯に待ったをかけた。 男物の下着を彼女に触られるのは何とも恥ずかしい。 [*前へ][次へ#] |