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楽しむ黒猫
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「甘えるのも程々にしなさい、雲雀恭弥。椿さん、構うことないですよ」

「…君にどうこう言う権限はないよ、六道骸。咬み殺すよ?」

「ちょ、二人とも睨み合わない!!六道骸!支度!雲雀恭弥!夕飯はつくるから!」


ギロッと重い険悪の睨みあいを手を振って遮る椿はビシッと命令した。


「いい?あたしがルールだから!
 従えないなら出ていって!」


そう言えば二人はしぶしぶにらみ合いをやめる。

ハァハァ、椿は何とか乱れた呼吸を落ち着かせた。
死ぬかと思った。


プイッとそっぽを向く雲雀はソファに寝転んで背を向ける。


(母親にかまってもらえず拗ねる子供…)


椿と綱吉と獄寺の心の声は重なっていた。


「じゃあ……不良に絡まれたら電話してね。じゃあ、行ってきます」

「いってらっしゃい!」


ケイタイを持つ獄寺と雲雀に言ってから椿は手を振った。
綱吉が玄関まで見送り。


「二人が喧嘩しないように見ててね?」

「う、うん。椿ちゃん、楽しんできて」


綱吉は自信なさげに笑って手を振り返す。いってきます、ともう一度言って骸と出来た。


「………オレがもうちょっと背が高かったら…なぁ…」


彼氏役できるのにな、と玄関で綱吉は独り言を洩らした。


「また骸かぁ……ずるい」


溜め息を溢して綱吉は気付いた。


何が、ずるいんだろう?


椿ちゃんと、恋人のようにふりまうこと?











「椿さん、何処に向かうんですか?今日は電車じゃないんですか?」


とことこ、と歩いていく。
駅に行く道ではなく、ちょっと離れたスーパーの道を椿は歩いている。


不思議に思って骸は聞いた。
まだ何して遊ぶのか聞いていない。


「ん?」


開いたケイタイを閉じる椿はじっと骸を見上げた。


とぼけた顔。


「……椿さん?」


骸は首を傾げた。


「メールで断ったよ。遊ぶの」

「え…?
 ……じゃあ何処に行くんですか?椿さん。アオイさんに会いたかったんじゃあ…」


 


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