楽しむ黒猫 148 喧嘩 「野郎共ーっ!遊びにいくぞーっ!」 「なんだよいきなり」 帰るなり滑り込んで登場。冷たい目を向けるのは獄寺。 「綱吉君の提案でお外に遊びに行くことになりました★ほれっ犬ども支度なさい!」 「Σ誰が犬だ!!」 「何して遊ぶんですか?」 吠える獄寺を他所に骸は立ち上がって椿に聞いた。 椿は軽い足取りで買ってきた物を冷蔵庫に入れる。 「皆でカラオケ!」 「…僕達きっと歌えませんよ」 「絶対あるさ!」 お気楽思考。 「皆で行こう?」 「やだ」 断ったのは雲雀だった。 「なんで?音痴なんて気にするな!」 「音痴じゃない」 椿は雲雀と目を合わせようとしなかった。それが気に食わない。 「!」 雲雀は椿の腕を掴んで目を合わさせた。 「僕は行かない」 「皆で行こうよ」 目が合って少し動揺が走ったが何とか平然を装って、椿は返した。 「行かないって言ってるだろ」 「痛っ…!ちょっと!」 ギュッと握られて痛みで声を上げる椿。雲雀はムッとしかめる。 「皆で楽しんで、遊びに行こう…て痛、痛いっつーの」 「…君。ちゃんと目を合わせなよ」 グイッと引き寄せて雲雀は瞳を覗き込んだ。 目を合わせないのが、嫌だ。 ムカつく。 然り気なく目を合わせようとしない椿。ムカつく。 避けられて、何とも思わないわけない。 こっちを見ろ。見ろ。 ぎこちなく余所を見ていた椿は、仕方なく雲雀を見た。 じっと、ただ目を合わせる。 濁みのない黒曜石。 暗いブラウンの石。 見つめ合っていれば、いきなりお互い眉間にシワを寄せた。 険悪の睨み合い。 「目を合わせてるし」 「合ってないから言ってるんだよ。ばかだね、無意識で僕を避けてるって言いたいわけ?」 「避けてないし。避けられるようなことしたのが悪いんじゃない?」 「した覚えないね。君本当にばかだ、わかってないよ」 いきなりの喧嘩ムードに綱吉が顔をひきつらせた。 「はぁ?ばか、って…てめぇこの餓鬼、調子こくなよ。図に乗りすぎだ」 「…何?戦<ヤ>るかい?」 「ちょ…二人とも…」 「戦ってやらぁっ!!」 「椿ちゃんんんんっ!!」 椿と雲雀のいつもの喧嘩が始まってしまった。 椿が雲雀をどつく。 その仕返しに雲雀が椿を押し倒した。 胸ぐらを掴み合う二人が揉みくちゃにプチ喧嘩する。 [*前へ][次へ#] |