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楽しむ黒猫
120



椿はまた雲雀の隣に座り、食事をとる。

回復したということで椿は皿洗いと選択干しをやった。


「そこ、煩いよ」

「?、煩くしてませんよ」


綱吉とお喋りしながらトランプゲームをしていれば、雲雀が睨んできた。


「煩い」

「煩くしてませんって。ねっ!骸君」

「はい」

「煩いって言ってるんだよ」


静かにこの間買った本を読んでいた骸が頷いたが雲雀はますます怒ったように睨み付ける。


「何よ」

「椿ちゃんっιすみません、ヒバリさん。静かにします」


ムッと唇を尖らせた椿を慌てて綱吉は止めた。
綱吉が椿の肩を掴んだ途端


咬み殺す!

「Σひぃ!」


雲雀はトンファーを出してソファから立ち上がった。


「こら!雲雀君!」

「煩い」


   ガタンッ


取っ組み合い開始。
トンファーを振り回されないように腕を掴んで押す。


雲雀はトンファーを放して椿の肩を掴み、押し倒した。


   ドタンッ


「ったぁ!?」


頭と背中と尻をぶつけた椿は握り締めた雲雀の腕に爪を立てる。

やはりいつもの雲雀だ。


グイッと頬をつねられる。
痛いと怒った椿も雲雀の頬を両手でつねる。


   むぎゅう〜



これでは決着つかない。

椿はぺしっと雲雀の頭を叩いた。そうすれば額を叩かれる。


次に椿は雲雀の胸を叩くように押した。


   ゴツンッ


仕返しは、頭突き。


「っひにゅうん〜〜〜〜〜」


床に挟まれての頭突きに椿は奇声を堪えた。


痛みに悶えても、上にいる雲雀は動こうとはしない。


どうしたのか、涙目で椿は雲雀を見た。


意外にも雲雀の顔が近くにあって驚く。

頭突きをした体勢のままだったのか、ちょこっと動けば鼻が触れそうだ。


「近いよ、雲雀君」

「……うん…近いよ」


遠回しに言ったせいか、雲雀は動こうとしない。ただ椿の目を真っ直ぐに見つめ、彼女の髪を握り締めた。


    スッ



そこに、椿と雲雀の僅かな間に一冊の本が割り込んだ。


「椿さん、散歩しにいきませんか?」


雲雀のことなど視界に入れずに骸がにっこりと椿に言う。
雲雀は睨み付けた。


「……」


そんなことを言われても、と椿は困り果てる。
雲雀は退こうとしない。
助けるならちゃんと助けろ。



 


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