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楽しむ黒猫
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「椿さん、そんな顔をしてると不機嫌なハートの女王みたいですよ」


不意にかけられた骸の声に気付けば、綱吉達が自分を見てることに気付いた。


不機嫌な顔でもしていたのか?


考え事をしていたし、頭痛で眉間にシワを寄せていたせいだろう。


「今にも誰かの首を跳ねたがってるようですよ」

「骸さんが不思議の国のアリスを知ってるなんて意外です」


そんなに酷い顔だったのか、ショックを受けつつも椿はソファで見下したまま骸を見る。


「アリスって、違う世界に飛んじゃうってやつだよね?じゃあ椿ちゃんアリスだね」


なんて綱吉が会話に加わった。


「いやいや、君らがアリスでしょ」


違う世界から落ちてきたのは綱吉達の方だ。たしかに…、と苦笑する綱吉。


「アリスのキャラに例えるなら、綱吉君はおどじな白兎ね」

「おどじ…ι」

「骸君は気品ある帽子屋さん」

「おや、帽子屋ですか」

「雲雀君はチェシャ猫」

「…」

「獄寺君はー……………?」

「んだよ」


獄寺を見て首を傾げる椿。
キャラが思い付かない。


「………眠りネズミ?」

「お前テキトーだろ!」

「椿さん、アリスは君ですか?」

「骸君がハートの女王って言ったんじゃん」

「何言ってるの、君がチェシャ猫でしょ」


グイッと頭を雲雀に押される。


「惑わす悪戯っ子の気まぐれ猫」

「にゃーん。
 …あたしそんな子だっけ?」


とりあえず乗って猫なで声を出したがキョトンと首を傾げる椿。


「何を今更。好奇心が旺盛な黒猫でしょう?椿さんは」

「んー…オレも椿ちゃんは黒猫ってイメージが強いな」

「お前不吉な黒猫だ」


骸が加わって言えば綱吉も言い、獄寺も吐き捨てた。


「僕不吉届けてません!」

Σぶへっ


椿はクッションを顔面に向けて獄寺に投げ付けた。


「何しやがっ」


獄寺は直ぐに立ち上がりクッションを投げ返そうとした。
しかし、ピタリと止まる。

椿の隣に座る雲雀が鋭い殺気を放ち睨み付けていた。


「……」

「?どうした、ゴックン」

「ゴックンって呼ぶんじゃねぇ!!」


仕方なく獄寺はそのまま椿にクッションを返して座った。



 


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