君を好きでいたいから
3
楽しそうに去っていく徹史たちを見るたびに
そろそろ徹史とエッチするのはやめなきゃいけないって思う。
でも…
『ヤろうぜ』
って徹史に言われると、
あと一回だけ…
って思ってしまって、また同じ事の繰り返し。
そしてその度に、好きだって気持ちが増していく。
「徹史!」
何故だか自分でもわからない…
気がつくと教室を飛び出して
徹史の腕を掴んでいた。
「うをっ!どうした、柚…」
「俺…」
「ん?」
好きだって言葉が口から出そうになり
慌てて手を離した。
「わ、わりぃ。なんもない…気をつけて帰れよ。」
不思議そうな顔をしている徹史に手を振って、
その場を離れた。
徹史は彼女の事が好きで、
彼女は徹史の事が好き…
二人は両想いで俺は単なる片想い。
そんな俺が二人の仲を崩すような事をしちゃいけないんだ。
「徹史…好きだよ…」
誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いて心に決めた。
―興味本位で始まったあの行為は、もう二度としない。―
□END□
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