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小説
栄光の讃歌                        サガと黒サガ 十二宮編終わり。サガが星矢に負けて自害するまで ※サガと黒サガがそれぞれ別の人間設定







サガはそっと彼の頬に触れた。                       愛しさはすぐ近くに
本当に眠っているようだと…。                  ほんとうは居たのでした
冷たい皮膚。白い肌。色の無い唇。                     冷たい両手で
同じ手でそっと彼の頬を包む。                  貴方の頬を包み
「……おやすみ。……いままでありがとう」                 長い旅を終えたような
立ち上がり寝台から離れる。                          静かな安らぎの中
教皇宮を出、余りに穏やかな自分にひどく狼狽しながら                         ひとりを悼んで
彼を想って涙が落ちる事実。                         少しだけ泣きました

「……嗚呼」                            Gloria
こんなに大気は澄み渡って。                        全て世はこともなく
夜空は眩しいほどの満天を晒して。                            午後の陽射しあかるく
一歩を踏み出し神像を見上げる。                      幸せの歌響き
そして十二宮を見下ろす。                        雲雀の丘は光る
振り返る。彼が眠る間を。                              貴方と共に行こう
「…行かなくては……」                  この坂道を行こう
そして十二宮を下る。                   むせかえるほど薫る
余りに犠牲を出しすぎたこの道を。                           若草を踏んで


静寂の中。                    果物のかたちをした
「……」                        まあるい楽器のように
五月蝿いほど脈打つ心臓。                      貴方が奏でるかなしみとよろこびが
私が…私達が生きている証拠。                  私を洗い揺さぶり
すまない…。                         いたみとなぐさめが今
散々お前を忌み嫌ってきた私だが                     貴方を愛せる
今はただお前が愛しいよ。                        心をつくりました

「……嗚呼」                                     Gloria
なんて晴れやかな気持ちなのか。                    なにかやさしいものが
心の中。まだお前が息づいているような。                       確かにここにあって
死に向う今。                          幸せの歌うたう
悪は倒れ、すぐ私もそこへ行く。                   その儚さを行こう
女神が正義であることの証明。                         愛と希望のために
知られざる13年を犠牲に。                      涙と贄のために
宮と宮の間の石畳に跪き。                         眩しい夜と昼の
今はただ…死すべき時を待つ。                                はじまりを踏んで






あとがき
KalafinaのGloriaを聞いていたら十二宮編のサガみたいだなあと思いまして。
この話だけ例外的に黒サガとサガは別の人間ってことにしています。
黒サガとサガ。二人で13年間聖域を守ってきたけどアテナ率いる青銅に乗り込まれて黒サガは
星矢に殺された設定。
じゃあ私も後を追わなきゃと、サガが12宮を降りて行き……まあ後は原作通りアテナの前で自害。……なんて暗い話。


此処から勝手に引用したりはしないでください。




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