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小説
装飾品                         射手座と双子兄。原作後、甦り設定





花を散じ 朱に染めた指で

額を飾る棘を編んで

私は今 贖罪のしるし

茨の蔓の冠 戴く






「……見ていて面白いものではあるまい」
サガは苦笑しながらアイオロスを見上げる。
険しい表情で鉄格子の向こうのアイオロスが問う。
「…何でそんなものを作っている」
「何でって…そうだな……」
対照的にサガは微笑み、手元に視線を落しながら作業を再開する。
「やめろ」
「……」
「サガ。聞こえないのか」
「…聞こえている」
視線を合わせようともしないサガにアイオロスはいらだつ。
「その作業をやめろと言っている」
「…なぜ」
「なぜ?」
とうとう、アイオロスは怒鳴った。
「なぜだと!?それはこちらの台詞だ!!なぜ!サガは手を血だらけにしながら茨の花輪を編んでいる!?」
「明日の公開処刑で被るのだ」
事も無さげに答えるサガ。アイオロスは二人を隔てる牢の檻に掴みかかった。
「なぜ!?なぜ女神の慈悲で生き返りまた死なねばならない!?しかもこんな……」
「罪には罰を」
「!?」
サガが顔を上げアイオロスを見上げる。
その顔は…
「命には命を。許しには償いを」
「……サガ」
余りに穏やかで……。
「……嗚呼、やっと出来た」
頭に載せ、「似合うだろうか」などと言ってくるサガは余りに綺麗で。
「……アイオロス」
「……」
「……アイオロス。泣かないでおくれ」
何も出来ず。ただサガの前に崩れる。
鉄格子の向こうから、血に濡れたサガの手が伸びてきて、アイオロスはそれに取り縋った。
そして何も言えず涙を流す。


共に逝きたかったと……






頬伝い落ちる雫

乾いた大地に染みて

命の芽 潤すよう

雨となりて注ぎたい あなたに








あとがき
METHOD_IMPLANTA/. から引用させていただきました
これを聞いていたら「これ(茨の蔓を編む)、サガが牢獄で自分の為にやってそう」と思ってしまって書きました。
女神の慈悲で甦ってもサガの罪は消えないだろうしなあ。……やっぱ処刑だろうか
アテナは嫌がるだろうけど…。でもサガは幸せだろうなあ。
結局苦しいのは回りなんだろうなあ。……なんだか切なくなってきました(おい)


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