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小説
お菓子                             双子座 カノサガ 日常?ほのぼの










なんとなく甘いものが食べたかった。
故に棚を覗いたらチョコレートが少し。
カノンが食べ残したのをとりあえず仕舞ったというかんじで無造作に置かれたそれ。
……フム
食べてもかまわんだろう。と考えたのが運の尽き。

「ん……ふ………!!」

帰ってきた弟に棚の菓子の事を聞かれ、食べてしまったと答えれば、こちらが引くぐらいおもいっきり笑う。
なんだ。食べたらまずいものだったのか!?と問えば、笑いながらそんな事はないという。
では、何故お前はそんなに笑っている…!?と物理的にソファの上で少し下がると逆にカノンはソファに膝を下ろし寄ってくる。
嫌な予感…と思った瞬間それは的中。

「俺のおやつをサガが食っちまったんなら、俺がサガを食っても良いよな?」

本気で眩暈に襲われた瞬間、世界は暗転。
ソファに押し倒される形になり上にはカノン。
やめないか。と言えば、黄金聖闘士様ともあろう者がそんな簡単に押し倒されちゃってその言葉はねえよな。と言われる。
ならば本気で抗うかと、暴れようとした瞬間カノンの唇に口をふさがれ舌が侵入してくる。
必死にカノンを引き剥がそうとするが、次第に酸欠になる体はいうことを聞かず鼻に掛かった声が漏れる。
隙間から必死に息を吸おうとした瞬間、カノンの指が、耳の裏から首筋にかけてを撫で下ろす。
「っあ……!!」
吸おうとした呼吸を逆に吐いてしまい、どんどん酸欠になる。
溺れているのは呼吸の無さかそれともカノンの愛撫ゆえか。
水中でもないのに溺れていく。
カノンカノンカノンカノン!!
溺れて死んでしまう!!お前に溺れて!!死んでしまう!!
「……ハッ……!!」
やっと解放されて一気に呼吸を吸い込む。
小さく咳き込みながら、浅い呼吸を繰り返してるとカノンがそれはそれは楽しそうに一言。
「兄さん、やらしい」
「…この愚弟が……!!」
睨み付けてやるも効果は無く、ニッとカノンは笑う。
「あんまチョコレートの味しなかったな。コーヒーの味が強すぎて」
「…一緒に飲んだからな」
「ふーん」
気のなさそうに頷き、カノンの顔がまた落ちてくる。
「なッ……」
が、今度は唇には触れず、首筋に。
つつつ…と舌で舐められゾクリと肌があわ立つ。
「ちょっ、カノン……!!」
カノンの、くせの強い髪が顎に触れくすぐったい。
「んん……!!」
堪えようと唇を結ぶが、鼻から息と共に声がもれる。
上気した体。乱れつつある呼吸。抵抗する意思をなくした手足。
「サガ」
カノンが笑う。

どうしてほしい?

「ッ……」
笑うカノン。その手はこちらの体をもどかしく撫でる。
「あ…。はっ……!!」
「兄さん。言わないと分からない」
「こ…の……!!」
「愚弟にも分かるように言って下さい」
至極楽しそうにカノンは言う。
人の話の揚げ足を取りおって!
「なあなあサガ。サガは甘いな」
「…………は…?」
あまりに突飛な発言に、一瞬、本気でカノンの正気を疑う。
「アテナに貰ったチョコレートより甘い」
子供がなにかお菓子を食べる時に浮かべるような笑顔を浮かべ、カノンはのたまう。
いや、待て。今、それ以上に重要なキーワードがあった。
「アテナ…?」
「嗚呼。あのチョコレート、先日、職務中にアテナがおっそわけって」
「………はあ!?」
女神から!?
「でもいいや。サガのが美味しい」
「いや、カノン。ちょっと待っ………!!」

嗚呼。
知らなかったが運の尽き。










あとがき
とりあえず土下座して「すみません」です。
ちょっとカノサガ風味が書きたいなと思いついて書き始めて途中で挫折。
エロにはなりませんでした。精進します(何についてだ)
アテナは甘いものが好きだといい。女の子だもの。きっと甘いものは好きなはず(私は嫌いですが)



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あきゅろす。
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