novel
口の達者な小学生・M
自他とも認める賢くオトナな小学生、それがM。
IQ180の頭脳と抜群の運動センスで、クラス中の人気を集める。しばし担任教師をもやりこめる辛口トークは、6歳年上のお人よし兄貴の相手をしていて磨かれたと思われる。本人いわく、「あの頼りない兄貴におっとりして世間ずれした母、単身赴任続きで家にいない父、という家庭環境に育てば、自然と"僕が言わなきゃ誰が言う"って感じになるもんさ」。
野球帽を後ろ前逆にかぶり、どんな相手を前にしても不敵に笑う。男女問わず後ろに従え、すっと立つその姿は、まさに小さなカリスマ。だが女の子である。ボーイッシュを通り越して男の子にしか見えない服装と言動を本人は好んでしているが、兄はため息をついている。そんな兄をいじるのが大好きなところは、歳相応と言えなくもない。
なんでもお見通し、な抜け目なさは自身の出生についても例外ではなく、今後どんな思春期を送るのか、楽しみな天才小学生である。
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