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novel
コケティッシュなお転婆姫
いちおう、一国の姫である。

細い細い、金にも銀にも黒にも見える髪を、
顔の左右にかかる分だけ
あごのラインでスッパリ切りそろえ、
後ろ髪は器用にまとめて豪奢な髪飾りで留めている。

柔らかそうな生地の服に身を包み、
口元を隠すようにして
刺繍の細かい美しい彩色の扇を広げて立つ姿には、
人目をひく気品が漂う。
キラキラと輝く装身具に劣らぬ、美しい佇まい。

だがその漆黒の瞳は、
深窓の姫君というより、コケティッシュで
愛嬌のあるいたずらっぽい輝きを放つ。
光の加減で緑に変わる不思議な瞳。

また性格は、天真爛漫。といえば聞こえはいいが、
実際のところムチャクチャなお転婆。
お気に入りの護衛たちの目すら盗んで、
城を抜け出すのが日課なのである。

地上の年齢でいえば17歳くらい。

自由でいられる"姫"としての時間を謳歌するため、
今日も、腹違いの妹に会いに下界へ降りる。

当然、護衛は連れずに。


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あきゅろす。
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