novel
平凡で地味な女子高生・N
平凡で、どこにでもいそうな印象しか与えない女子高生N。
これといった特徴が見つからない容姿であり、制服姿もそこそこに今どきっぽく崩しているのがより没個性を強めている。ショートボブの髪型も、一層彼女を地味に、そして幼く見せている。実際に、地味な少女である。クラスメイトともほどほどの距離感をつくってしまうらしく、特別親しい友人も見当たらない。部活もやっておらず、なにを楽しみに日々を過ごしているのか掴めないところがある。本人にも自覚はあるが、それが自分、と悟っている。否、諦めている。そのことが目や表情に表れているから、余計地味なのだろう。
だが最近、そんな彼女にも手を伸ばしたいものができたようである。その思いはまだ小さく、本人の強い意志や生きる希望にまでは達していないが、近いうちに彼女を輝かせる一因になるであろう。
どれだけ平凡といわれようと、そういう出会いはあるのだ。女子高生Nにも訪れたのだから。
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