novel
クールな寂しがり屋・T
一言でいえばキツイ。
やわらかい言い方をしない、
できない、
する気がない。
ゆるやかに波打つ長い髪。
キリッとした目元。白い肌。
まごうことなく美少女の部類。
なのに発する言葉がキツイため、
仲間の一部からは美人認定されていない。
本人にとっては、どうでもいいことであるが。
仲間たち同様、彼女の経歴も楽しいものではない。
親に捨てられるように施設に引き渡され、
実験と研究を繰り返される日々を送ってきた。
彼女は、高度な能力をもつテレパシストなのである。
人の考えていることがわかってしまう悲しみ。
同じテレパシストである彼女の恋人は、
きちんとそのあたりのことをわかっており、
誤解されやすい彼女の言葉の
フォロー役を務めている。
彼女自身、彼との交流で安らぎを感じている。
そして、
世界を壊滅させるくらいの能力を持つ仲間のひとりを、
誰よりも心配している。
彼女は、妹のようにかわいがっている
その仲間を守るために、
これからも能力を使い続けるだろう。
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