novel
惚れた女が極道だった男子高校生・W
不憫としか言いようのない男子高校生、W。
笑顔のかわいらしさに不意打ちを食らい、好きになってしまったクラスメイトは、なんと町を牛耳る極道の一人娘。けんかっ早くて、小柄なくせに凄みのある表情をもつ彼女に、想いを伝えるのは至難の業。さらなる追い打ちは、彼女にはすでに許婚がいるということ。相手はかなりイケメン。年上。もちろん極道の人間である。
本当にそんな彼女に言い寄ることなどできるのか。平々凡々の中流家庭に育った彼には、ハードルの高い壁である。
彼の恋心を察している一部の友人たちも同情を禁じ得ない。が、あれだけ問題児として有名な彼女を、同じクラスになるまで知らなかったという点においては呆れている。なので、どちらかといえば高みの見物。話題のタネ。
こんな（ある意味）薄情な友人らに囲まれ、どうにもならない恋情にもだえる健全な彼に対する彼女の様子は、完全にOUT OF 眼中。
決して容姿も性格も悪くないんだけど…。相手が悪かったんだね。
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