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novel
10代の敏腕情報屋・H
 実につかみどころのない少年である。ふいに現れ、いつの間にか消える。そして、その出没エリアは広範囲にわたり、手に入れる情報は多岐にわたるのである。集団に紛れるのが上手で、本人は、家出を繰り返すうちに身につけたのだとうそぶく。本心の見えない少年である。

 色の抜けた天然パーマの髪が目をひき、ゆったりした服を好み、ややダルそうな前屈みの座り方をよくする。

 基本的に単独行動派なのだが、ここ数年は珍しく気を許している3人とともに居ることが多い。巷を統べる"四騎士"なる4人組のひとりとして、リーダー格の少年の参謀のような役を担っているのだ。

 なにが起きているのか、無意識に捉える力と無難にやりすごす機転。エリート一家の落ちこぼれ。実は妹思い。時々見せる、諦観を宿した表情。薄情とは少し違う、ドライな思考。高い情報収集能力。

 リーダー格の少年が、「まっとうな職業に就けよ」と将来を心配するのを、乾いた視線で受け流す。
まったくもって、掴みどころのない少年である。


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あきゅろす。
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